見出し画像

【仕事・DX】いつその手を離すか?

これもまた、タイミングとバランスが難しいんですよね…

新しい事をやるときはだいたい少人数から

これまでも社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推し進めるべく、価値創造の仕組みつくりや人材育成に取り組んできました。どれに対しても思うのは、新しい事をやるのに「押しつけてやらせる」「仕組みはあるので、自分でやってください」というのでは全然普及が進まないという点です。

しかしDXに取り組むときの最初はそこまで人員リソースが潤沢にあるわけでもありません。むしろ方向性が定まっていない不確実性が高く、取り組む人自身のDXの理解度が高く無い中で、多くの人数が取り組んでも混乱を生むだけです。

事業開発のリーンスタートアップでもそうですが、何事も少人数から始めて、仮説を立て検証し、学びを積み上げて方向性の確からしさをハッキリさせていくという動き方になってきます。

最初はじっくり厚く、スケールはさっぱり軽く

経営陣的にもDXなどの変革は難しくすぐに成果になるとは思っていなくても、会社としては世間からの見られ方や懐事情としてもできるだけ早く推し進めて、投資分を会社の成長に繋げたいと思うのは当たり前のことです。

とはいいつつも少人数で進めて行く中では、社内の中で変革に興味を持っていたり、自分達でもまず現場や小さな組織からでもやりたいという社内のDXアーリーアダプターを見つけ、一緒にやっていくしかありません。

社内の協業パートナーを見つけ、まずそこで成果を上げて実績をつくるために、人員を割り当てて頻度高く対話し、じっくり厚くやっていく必要があります。

しかし、じっくり厚めの対応をしていると今度はスケーリングの話が出てきます。DXを社内全体に広めるためにずっと小さいところでやり続けるわけにはいかなくなります。「いつDXが全体に普及するのか?」と経営陣からのプレッシャーも日々強くなってきます。

人員を貼り付かせていると他の施策も進みません。そうなるとスケーリングのために自分たちの投入するパワーを軽くするための「手離れのよい」施策が必要になってきます。つまり冒頭で書いた「仕組みはあるので、自分でやってください」を進める段階が必要になります。

社内普及施策もマーケティング施策と同じ

この辺はカスタマーサクセスの「テックタッチ」に近い考え方になってきます。

もともと一緒にパワーを割いてやってくれる社内アーリーアダプターは重要な顧客となります。そこは「ハイタッチ」でじっくり逃がさず成果を最大化し、そこまでじっくりやらないライトユーザやそもそもまだDXとは何か?というレベルの人にも取り組めるように「ロータッチ」「テックタッチ」な多層的な施策を持ち込むことで社内全体のDXのスケーリング(普及)を考えていきます。

やり始めから手離れの話をするのもどうかと思うことはありますが、出口戦略の一つとして将来的な手離れも想定して取り組んでおくのは大事です。もちろん優先度はあり、社内の誰にも響かないのに手離れ優先の施策をしても見向きもされません。未来の話は変わる可能性は高いので確度は低くても、そこに向かってどう積み上げて行って変更が必要なら早く方向転換して、という動きが必要です。それこそアジャイルな仕事の仕方、組織運営が必要になります。

結局、リーンスタートアップの事業開発と似ていて、社内の普及活動は、会社の中のマーケットの拡大を進めることと捉えることができるわけです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?