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【アジャイル】書籍「組織を芯からアジャイルにする」第2章で心に残ったフレーズ

第1章に続き、こちらに参加します。第2章から挙げてみます。

第1章の記事はこちら。

第2章で心に残ったフレーズ

お題としては引き続き、市谷氏の書籍「組織を芯からアジャイルにする」について第2章で心に残ったフレーズを挙げ、そこから思ったこと、考えたこと、取り組んだことなどを書いて共有していくものになります。

私が第2章で心に残ったフレーズはP70からの節にある

なぜアジャイルなのかという問いをともにする

組織を芯からアジャイルにする 第2章

になります。

行きすぎた「最適化」

第2章は「日本の組織を縛り続けるもの」というタイトルであり、長年の失われた時代と、DXと声高に叫ぶものの一向に進まない状況は、どのようなところにあるのか?どのような呪縛があり、現状のようになっているのかを「行きすぎた最適化」という切り口で書かれています。

最適化が全て悪いわけではなく、効率的に投資をかけてビジネスをスケールしていくには大事なことです。しかし、世の中や市場が大きく変わっていき、かつその変化スピードが過去と比べて速くなっている状況で、変化を起こせない、そもそも変化を捉えて現状の問題を問い直せないのは、行きすぎた最適化が企業の組織の中で行われてしまっていることが原因と捉えています。

細かい内容は読んでいただく方が良いですが、変化を起こせない企業や組織では既存の構造や仕組みで「方法」「体制」「道具」の最適化が進んでいる。これはこれまで通りの世の中であれば問題ないですが、市場からのインプットも、求められるアウトプットも変わっていく中、「方法」「体制」「道具」のいわゆるインプットとアウトプットの間にある「プロセス」が標準化され、変わることがなければ、まともな成果は出せなくなります。

アジャイルが一つの突破口だったが…

そのために「そもそも今が正しいのか?やっていることが正しいのか?」を問い直し、企業や組織として成り立つ目的やミッション自体を問い直す必要があります。

それができるのがアジャイルであったのですが、2001年からの10年、アジャイルの出たての頃はもちろんうまく行かない事も多く、また、最適化が進んだ企業や組織においては真逆のlことをやることになり、しかも失敗を許さない文化が一度の失敗で「アジャイルはダメだ」という烙印を押されてしまいます。

組織的な理解の問題に加え、エンジニアリングでの技術課題、チームで仕事をするという点についてもまだ当時は熟達しきれておらず、「アジャイルは難しい」という印象がついてしまい、本質的な価値が認識されなくなってしまいました。

そこでようやく、このフレーズが問われます。

「なぜアジャイルなのか?」

これが企業や組織が、一緒に価値を見いだしていく顧客と共に問うべき内容になります。この問いが共に働くものたちの中で共通認識が持たれていないと、お互いの「期待違い」を起こしてしまいます。

インセプションデッキという術

期待を合わせるための術として2010年頃に出てきたのが著書「アジャイルサムライ」で紹介された「インセプションデッキ」です。

細かい詳細は検索すれば出てきますが、ようはプロジェクトなど一緒に働くものの間で「共通認識」をもつために10の切り口の問いで言語化できるフレームワークになります。これを関わる人たち皆で対話議論し、一緒に創り上げることで共通認識を作り出し、腹落ちさせていきます。

タフな問いもありますが、それを早めに言語化しておくことが重要ですし(後になるほどダメージが大きい)、またインセプションデッキにより共通認識の起点・軸を可視化することで、様々な変動要因が発生したときに、変化に対してどう対処していくかの見直しをかけることができます。

自分がアジャイルに触れた起点だった

私ははじめてちゃんとしたアジャイルに触れたとき、しかもはじめてのPO(Product Owner)で、一緒に働くのは会社の異なる混成チームでした。そして相手のエンジニアから「書いてね」と言われたのがインセプションデッキでした。

私自身、はじめはアジャイルという言葉を怪しげに思っていました。しかし一緒に進める上で短期間で見える成果が出て、仕事も楽しく感じたときに、ようやくアジャイルへの期待とアジャイルの価値を感じることができました。

そして、正解が見えない中で迷うことがあっても、拠り所にできたのがインセプションデッキでした。そして何度かピボットが起きたとき、またインセプションデッキに向き合い、チームの共通認識を持ち直すことで、同じチームで続けていても大きく考えや互いの期待がズレることがありませんでした。

今では、社内で開発以外の領域でのアジャイル導入についてでも、社内イベントでインセプションデッキを語るような感じになりました(笑)。

「なぜアジャイルなのか」…これを意外と問えているチームは少ないのではないかと思います。このように口火を切ってしまうと、いざアジャイルやろうとしている人からすると「否定者」っぽく聞こえてしまいますが、そうではなく、あえてみんなに「問う」ことで本質的な対話をするきっかけを作れればと思っています。

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