スクリーンショット_2018-12-14_2

【ジェンダー】セーラー戦士が多様性を体現している件【アイドル論】

 ちょっと前から、なんだかすごい感じのCMが流れている。

 誤解のないようあらかじめ申し上げておきたいのだが、俺はこのCMを批判しようとは思っておらず、むしろなかなかにLGBTQフレンドリーに寄せてきたなと思っている次第である。バイセクシュアルを公表されているカズレーサーさんを用いてみたり、脱?非?男性性みたいなところにいらっしゃるりゅうちぇるさんを用いてみたり。LGBTQフレンドリー的なところは伝わっているように思う。多屋来夢さんはナショナリティ的な見地からご参加いただいているのかもしれないけれども。兎にも角にも、今の日本の状況を考えれば相当画期的であることは間違いない。

<りゅうちぇるさん>
セーラー戦士の衣装を着ると聞いて、最初はビックリしたけど、嬉しかったです!ぺこりんに報告したら「やばいやん!楽しみや!いつから放送なん!!」と言ってました。撮影はセットも豪華で、そしていつもとは違う自分になれたので、終始ワクワクしてて、最後には衣装を脱ぐのがいやになっていました。撮影に備えて腋毛も剃りました!(笑)
CM には、ジェンダーフリーでもOK、多様性がOK というメッセージが込められていて、かっこいいだけじゃなく、今の時代に届けたい強い気持ちも感じてもらえればと思います。
男はこう、女はこうという、誰かが決めた「当たり前」や「普通」みたいな枠にはめられて生きていくのは楽しくないし、性別や年齢など肩書きのせいで自分を表現できないなんていやだなって思います。僕は昔からメイクもするし、一般的に女子が好きなものを好きだったりするので、性別とかじゃなく個人としてみようよ、みたいな考え方です。今回のCMは自分の中でもとっても共感できるテーマだったので、ぼくを選んでくれてすごく嬉しかったし、精一杯気持ちをこめて出来ました!

 素晴らしいよね、うん、素晴らしい。ええよ、ええんよ?ただ、うーん、モノホンのトランスジェンダーを入れてこなかったあたり、この国の状況を表しているよなぁ、と。思ってしまったわけでごぜぇます。
 まあ、ジェンダーに関わらず好きな格好できたらいいじゃん、というだけの話に終始したいのであれば当事者は排除したほうがある意味わかりやすいのかも知れないが。多様性ってべつにマイノリティだけの話じゃないんだぜ、という意味では。

 しっかしまあ、CMからは逸れるが、芸能界でふつーに活躍する当事者のいないこと、いないこと。なんて言うと、オネエタレントがいるとか何とか思われるかもわかりませんが、結局は、LGBTQであることを「キャラ」化しなければ存在できないわけです。だからオープンにする人も少ないし、そうした「疑念」を抱かれたことで引退する人もいる。

公表してみて改めて感じたのは、キャラではなく「一個人として」自分の性について語る人が本当に少ないということです。
メディアには、オネエキャラのような、LGBTという「キャラ」として振る舞う人や、あるいはLGBTへの理解を深める「立場」としてカミングアウトしながら活動する人はたくさんいますよね。
ですが、キャラや立場とは関係なくLGBTであることを公表している人はわずかな例外を除いてほとんどメディアに登場しません。仮にいたとしても、そうした人はすぐに「代弁者」としての役割を求められてしまう。

 普通に生きる、普通に存在するということが、テレビのような公共性の高い場ではまだまだできないのが現状と言わざるを得ない。だからこそ、今回のようなCMは課題を見付けてこの先の可能性を示してくれたという意味においても貴重なのでしょう。

 近頃は、自分が好きなアイドルグループに戸籍上の性別違う子も入ってくんねぇかなとかぼんやり思ってたりするんですが、やはりこう、特に未成年の頃に業界に入るようなものだと潜在的に排除されている人々がいるわけで、それがエンタメとしての可能性を狭めているように思えてならないんすよね。生まれたときの性別がどうであれ、可愛い子は可愛いし、カッコいい子はカッコいいし、ダンスが上手い子は上手いし、歌が上手い子は上手い。アイドルに大事なのは輝いていること、キラキラしてることであって、「シスジェンダー」であることではない。同じ衣装着て違和感なくできるならそれでよくね?と思ってしまう。
 はい。なぜかアイドルの話になっちゃってますが、なんか可愛い、みたいなのじゃなくてキラッキラ輝いてるアイドルが見たいっすね。オタとしては。見ていて元気になれる。的な。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?