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JOG(1351) 小学生がスライド作りで歴史人物学習 ~ 歴人(歴史人物学習館便り)(8)


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Common Sense : 小学生がスライド作りで歴史人物学習 ~ 歴人(歴史人物学習館便り)(8)

 小学生がタブレットでスライドを作りながら、夢中で歴史人物を学習する事例が登場!
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■■■緊急シンポジウム(伊勢雅臣も特別講演)■■■
 「小学校から始まる「反日洗脳」の歴史教育
  歴史教科書の「自虐史観」を告発する」

・令和6年1月28日(日)1:30開場、2:00開演、4:30終了
・星陵会館ホール(東京都千代田区、永田町駅より3分)
・参加費千円

■第一部・特別講演「日本の歴史教科書はどこが間違っているのか」
     -国際比較と人物学習の視点からー(伊勢雅臣)

■第二部「リレー報告 小・中の歴史教育はこうなっている」
 識者7方による報告
■第三部「シンポジウム 教科書採択はどうあるべきか」
 コーディネーター藤岡信勝先生(「つくる会副会長」)

・問い合わせ先 新しい教科書をつくる会 03-6912-0047
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■1.被災地応援の様々な工夫

 あけましておめでとうございます、とご挨拶すべきところですが、新年早々、元日の能登半島地震、2日には日航機と海保機との衝突事故があり、多難な年明けとなりました。

 災害にあった方々にお見舞い申し上げるとともに、そういう中でも、被災者救助のために実にいろいろな人々が主体的な工夫をしていて、心強く思いました。たとえば、

・ヤマザキパン、フジパン、吉野家などが、移動販売車を現地に送って、食料の供給をしています。

・道路を寸断されて孤立した村落のために、海上自衛隊はエアクッション艇(LCAC)で、陸上自衛隊の重機や支援物資を浜辺から運び入れました。

・他県のいくつもの市町村が、ふるさと納税で義援金を代理で受け入れ処理し、被災地の市町村に届けています。

 民、軍、官それぞれの人々で、自分の出来ることを自主的に工夫して、同胞を助けようとする事が、我が国の強みです。そして、そういうことのできる主体的な国民を育てるのが、教育の役割です。

■2.小学生が歴史人物紹介のスライド作り

 自ら考え、主体的に国家社会のために尽くす国民を育てようというのが、教育基本法の定めた教育の目的ですが、そのための一手段として、現在進めている歴史人物学習館で、また重要な進展がありましたのでご報告します。

 千葉県八街(やちまた)市の小学校6年生が、歴史人物学習館を用いた学習をしてくれました。小学校の参加は初めてです。また、今回は感想文ではなく、初めてスライド作りという形で取り組みました。担当の先生はこう語っています。
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「江戸幕府と政治の安定」についての学習を終えたタイミングで実施しました。戦国の武将(織田信長、豊臣秀吉、徳川家康)調べを基本としましたが、興味のある歴史人物がいれば誰を調べても良いという形で行いました。

 全員がgoogleスライドを用いて歴史人物をまとめました。最後には、歴史人物を紹介しようという形でプレゼンも実施しました。保護者から、「家で夢中になってスライドを作成していました」というような話も聞き、多くの児童が意欲的に取り組んでいました。

 先日の終業式にて、いただいた賞状で表彰を行いました。学習を頑張った子達が評価される場として、良い時間となりました。「初めて表彰されました」と、嬉しそうな表情の子達がとても印象的でした。[歴人]
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 全国の学校ではタブレットを全員に配っているので、それで「googleスライド」というソフトを使って、プレゼン・スライドを作ってしまったのですね。日頃、コンピュータゲームなどで遊んでいる子供たちにしてみれば、スライド作成などごく簡単なようです。

 もう一つ驚いたのは、優秀賞の14人に500円の図書券を贈ったのですが、皆で相談して、総合的な学習の時間で地域の児童館の活性化に取り組んでいるので、そちらに寄付しようと決めたことです。こういう思いやりのある子供たちを育てている家庭、学校、地域の皆様には頭が下がる思いがしました。

■3.「日本を今一度せんたくいたし申候」

 71名の生徒たちが制作したスライドのうち、優秀作品14点は、末尾の「リンク」欄からすべてご覧いただけますが、ここでは一つだけ坂本龍馬を紹介した作品をご紹介しておきましょう。画面はいろいろ動きがあって楽しいのですが、文字しか使えない旧態依然としたメールマガジンですので、セリフ部分の紹介だけでご容赦願います。

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日本を今一度せんたくいたし申候。私は坂本龍馬について紹介していきます。
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まずはじめに龍馬の幼少時代について簡単に説明します
1835年土佐藩(現在の高知県)にて末っ子として生まれる。小さい頃の龍馬はとても泣き虫でした。そんな弱々しい龍馬を育てたのが3歳年上の姉坂本乙女です。乙女は「坂本のお仁王様」と呼ばれるほど、とても体が大きな女性でした。弱々しい龍馬に水泳や剣術などを教えました。
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体も強くなった龍馬は剣術に夢中になり、1854年19歳、江戸へ修行に向かう、そんなときペリーが浦賀に来航。実際に黒船騒動を体験した龍馬は「アメリカとの戦になったらわしの剣術で手柄を上げちゃるき!」と思っていました。しかし、、、
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アメリカとどのように戦えばよいのだろうか....黒船騒動を実際に体験した龍馬も日本を守りたいと強く思っていたのです。でも、その疑問は剣術修行を終わらせても土佐に帰ってもなかなか答えが見つかりませんでした。
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そして日本は…
ペリーが要求した開国をめぐって意見が大きく2つに分かれました・・・
「外国追い払おう!チーム」 「開国をしよう!チーム」
しかし 1858年 江戸幕府は天皇の意見を無視し、開国を進め・・・・
→ 外国の商人などが、日本に来ることを許してしまったのです。
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これには、日本中で大きな不満が起こりました。
「これでは外国の言いなりではないか!」
「天皇陛下の意見を無視するなんて、とんでもない!」
「今の幕府は全く信用できない!」
 幕府の役人や外国人などをおそう事件もたびたび起きました。
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 わずか6枚のスライドでテンポ良く、幕末の日本の課題を的確簡潔に描いています。

■4.「どれだけ日本を愛していたかがよくわかりました」

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これには龍馬も、外国の言いなりになるのは我慢できませんでした。でも…
「あの黒船を刀で追いはらえるとは思えんぜよ・・・それに意見が違うからって殺してしまえという考え方も好かん。」
「よし!わしはわしの道を行こう!」
1862年「27歳」土佐を出て江戸に向かう
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 江戸についた龍馬は、早速ある人を探しました。
 幕府の役人であり咸臨丸という船で実際にアメリカまで行ったことのある勝海舟。
 そして勝の答えは明快でした。
「黒船を追い払う!?無理無理!」
「日本を守りたいなら、外国より強い海軍を作ることだな」
 なぜかって? 日本は島国だからな、強い海軍を作るためには外国と同じ力をつけないといけないんだ…俺は今、そんな海軍を作る準備をしているのさ。
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勝の話を聞いてしばらく…
ずっと黙っている龍馬…

突然、畳の上にドン!!と手を付き
「師匠!! 俺を弟子にしてください!」
 その場で弟子になってしましました。

目的を見つけた龍馬は、海軍を
作るために日本中を走り回りました
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龍馬スライド

 龍馬の生き様が見事に描かれています。ここから海軍操練所での訓練、薩長同盟の実現、大政奉還を説明し、最後に次のような感想をまとめています。
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坂本龍馬は戦のない日本を作っただけではなく、今の日本の政治の進め方である、「議会」や「憲法」まで作り日本を主要国にした....どれだけ日本をより良くしたかったのか、どれだけ日本を愛していたかがよくわかりました。
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 スライドから、当時の歴史と人物たちを活き活きと面白く学んでいる姿が浮かんできます。これこそ、歴史人物学習の理想とするところです。

■5.「スライドにまとめるのが楽しかったです」

 優秀賞に選ばれた子供たちの中には、同様にスライドの最後に「感想」を書いてくれている生徒も多いので、何人か見てみましょう。
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【源頼朝】
源頼朝さんは、豪族や武士を一つまとめ上げた所が凄くてリーダーシップがあるなと思いました。
調べたことで、その人の知らなかった歴史が沢山知れてスライドにまとめるのが楽しかったです。
 パソコンや本から調べたりして、色んな話の説などを知ることができて良かったです。その話の説に自分も考えたりしてより深く学べた気がします。
 最初の源頼朝さんから、最後の源頼朝さんへの感情とか思いが変わりました。
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【紫式部】
 世界最古の長編小説を書いた紫式部は、物語を書くのが好きな私にとって誇れる存在だと思います。
 また、彼女が辛辣なことや毒舌なことを知った時、1000年の時を超えても、昔の人にも現代のような人間さがあるんだなと分かったので、親近感があり面白かったです。共感が湧くこともありました。
 私はこれほど紫式部を尊敬しているのですが、紫式部の書いた『源氏物語』をまだ読んだことはないです。紫式部の感性、言葉の表現など、どのような書き方がされているのか気になったので、機会があれば是非読んでみたいと思いました。
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【福澤諭吉】
今回「福沢諭吉」さんについてまとめました。調べたりするのはとても大変でしたがとても楽しかったです。私のスライドを見て福沢諭吉さんに興味を持ってくれると嬉しいです、ここまで見て下さりありがとうございました。
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【豊臣秀吉】
豊臣秀吉について調べてて思ったのが
「思ったより性格は明るい、優しい、ノリが軽い」
ということです。
 元々の武士のイメージだと、中々金銀は惜しまずどんどん色んな事に使って、皆のことを考えてるものすごく優しい方って考えづらいので意外でした。
 そんなところも魅力的で歴史にもっと興味が湧いてきました!!
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【天草四郎】
 神の子と呼ばれしも、悲劇的な結末を迎えてしまった天草四郎。
私は天草四郎のリーダー性には感心しているところもありましたが、そのカリスマ性があることにより命を落としてしまったとも言えます。
 一揆のリーダー=家光の軍に負けたら100%逃れられず、殺されてしまう運命であると、天草四郎自身わかっていたのではないかと思うと心が痛くなります。
 この学びでは、リーダーであるという責任感を最期まで貫いた天草四郎の強さを知ることができました。
 最期の言葉さえも民を想い、絆の深さが分かるような...そんな内容でしたね。
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 いずれの感想からも、子供たちが楽しくスライドを作って、その過程で歴史人物とよく付き合って身近に感じ始めた様子がよく窺えます。

■6.スライド祭りで「主体的・対話的で深い学び」を

 今までの感想文執筆に比べると、スライドづくりは次のような特長から、文科省の学習指導要領で目指している「主体的・対話的で深い学び」にさらに良く繋がると思います。

(1)主体的:文章よりも創意工夫の余地が大きく、楽しんで取り組める
 写真や絵、漫画の使用、文字にしても色や大きさを自由に変えられる。それらが次々と登場したり、動いたりする。こういう表現の自由度は、文章よりもはるかに大きく、それだけ子供たちが自分で工夫する楽しみを味わえます。

(2)対話的:制作後に互いにプレゼンテーションをしあうことで、グループでの学び合いができる。
 できあがったスライドをお互いに見せ合い、他の子供の感想を聞くことで、自分の感じたことがうまく伝わったかどうか、自分が気がつかなかった視点がないか、確認することができます。スライド作りはグループ学習に最適です。

(3)深い学び:限られたスペースで表現するために、自分が本当に伝えたいのは何か、を考えさせる。
 スライド数枚のスペースでは、文章よりもはるかに文字や絵を絞り込まなければなりません。その絞り込みの段階で、その人物に対して、自分が本当に感じていたのは何だったのか、を深めることができます。

 中高生以上になると、自分でじっくり考えて文章にまとめるという能力も必要ですが、小学生の場合は、以上の利点を持つスライド作りで、「主体的・対話的で深い学び」を楽しく行えることを、この小学校の取組から教えていただきました。
(文責 伊勢雅臣)

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■リンク■

・歴人「スライド祭り 第8回 対象人物 自由、小六 71人、千葉県、R051123」
https://rekijin.net/kansou8/

■伊勢雅臣より

 読者からのご意見をお待ちします。本号の内容に関係なくとも結構です。本誌への返信、ise.masaomi@gmail.com へのメール、あるいは以下のブログのコメント欄に記入ください。
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