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人から出た声に捨てるところなし

人物がしゃべる映像の編集をしていた時に「話し始めが急だから、もう少し余裕を作ってほしい」というお戻しをいただいたことがある。その時私はハッとしたし、ドキッとしたし、なんてこったいと思った。知らぬ間にYouTube的編集をしていた。ヒカキンが発明したと言われる(かどうかが知らないけど)頭にもお尻にも余白のない、喋りだしギリギリのところでドンっと始まって喋り終わった瞬間にスパッとカット、と思ったらまたすぐ喋りだすカットが始まるあの編集手法に慣れすぎて、見慣れすぎて、忙しないとも言われてしまうあのYouTube的手法でつないでいた。反省しました。

そういう話でいくと、インタビュー映像なんかは意図的に「えーっと」とか「うーん」って悩むような逡巡するようなシーンはどんどんカットされてしまうけど(尺が決められているから仕方がないけど)本来そのえーっととかうーんの声や表情にその人っぽさが垣間見えたりするので、そこ捨てちゃうのもったいないなぁと思う。ラジオなら尚更、映像がない分そのへんはズバッと抜かれてしまうのだろう。

だから私は制作に参加させていただいている、モキ製作所プレゼンツのインタビューラジオ番組『この話、もっと聞く?』では、うーん、とか、あー、とか、えっとー、を極力残したいし、言い淀むところも、つまずいてしまったところもほんの少しだけ、その人物の残り香として捨てずに編集したいと思っている。人から出た声に捨てるところなし。毎週木曜日20:50からFM軽井沢&ポッドキャストにて。

この話、もっとする?


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