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1人で生きていくことはこんなにも怖いのか

急に1人でいることが怖くなった。

27歳になり、周りが結婚し始めて、仕事に対してある程度覚悟が決まったり、それ以外にも違う道に進んだりしている人を多く見かけるようになっているからよくある話なのかもしれないけど、なぜだか「ああ自分は1人で生きて行くんだな」とふと思った。

最近、卒業以来あっていない大学の後輩に会った。

この人とはもう縁が切れたなと思っていた中でも、さらになぜ?という人だったので困惑したのだけれど、聞けば、共通の友人と飲んでいて話題に出たから久しぶりに会いたくなったとのことだった。

それなりに仲良くしていたから楽しみで、飲んでいる場所へ向かう途中も、どんな話をしようか、どんなことを聞こうかでワクワクしていた。

店につくと、後輩たちはすでに酔っ払っていた。「お前ら飲みすぎだろ」と言うと「早く飲んで追いついてください!」なんて大学生の頃よくしていた会話も懐かしく、会った瞬間に来てよかったなと思った。

それからは一瞬だった。いろんなことを話して、聞かれて、先輩にナメてかかるような後輩たちのノリにも懐かしさを感じつつ、気づけばもうサヨナラの時間。お決まりのように「また飲みましょう」なんて言われて、すごく楽しい夜だった。

しかし、1人になり、デザートの最後のひとくちを味わう様な気持ちで、楽しかった時間を思い出してみると急に怖くなった。

酔っ払っていたからかもしれない。寒かったからかもしれない。暗かったからかもしれない。いろんな理由はおもいつくけれど、自分はあと何回、こんな楽しい思いを出来るのだろうと、泣きそうになった。というかちょっと泣いた。

僕は自分から人を誘うタイプではない。
持ち前の自己肯定感の低さから自分といる時間を誰かが楽しんでくれるのか?なんて思ったり、そもそも楽しませられる自身がないなんて思ってしまい、誘う事に躊躇してしまう。

そういうことをいうと「考えすぎだって笑」とか「逆にそんなことをこっちが考えてると思う?」なんて理詰めされるのだけれど、そんなことを頭ではわかっても心が許してくれない。こういう時はいつも心なんて無ければいいのにと思う。体と脳だけのロボットなら、こんな気持にならずにすむのになんて思う。

そんな友達を気軽に誘えない事に起因してか、僕は1人だ、これからも1人で生きて行くのかと思った。

今までは、切れてしまう縁なら仕方ない、と思っていた。

そうしたら僕は1人で生きていくことになるけれど、それはそれで自分の選んだ道だから仕方ない。その時は覚悟を決めて生きようと思っていた。

けれど、そういう気持ちでいたからこそ、すでに友達は年々減っていっているし、30歳になる頃にはきっと周りには誰もいないんじゃないかなんてつい悲観的になってしまう。

それに、久しぶりにあった人の近況を聞くとものすごく焦る。

近くにいる人、普段からよく会う人には近況を聞ける。

最近どう?なんて話をして、その前に会った日から変わったこととか変わらないこととか、それなりに予想がつく。

けれど、もう会うと思ってなかった後輩の短くも長い3年間の人生は濃厚だった。卒業してからの話、最近の話、これからの話。情報量とでもいうのだろうか。一気に頭に入る他人の人生の話が怖かった。

きっとたったの2時間では話しきれなかったこともあるだろけど、僕にとっては巨人に踏みつけられるような絶望感を感じた。それこそ、卒業から僕が歩んできた今までを簡単に踏み潰すみたいに。

僕はこれからどう生きていけばいいのだろう。

みんなそれぞれのライフスタイルを見つけて、それなりに楽しく生きていて、それじゃあ自分はどうしたらいいのか。
これからどうやって生きて、どんな人と出会って、どうすれば幸せになれるのか。

後輩に会ってからそんなことばかりを考えてしまう。


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