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Springbank 12年 Cask Strength Batch15 (ABV 56.5%)

「モルトの香水」
キャンベルタウンのスプリングバンク蒸留所。
2017年はシェリー70%、ex-バーボン30%構成。
アロマはフルーティでブラックベリー、リンゴ系の酸味と若干のサルファリー、奥に有塩寄りのバター。
kavalan solist oloroso sherryのトロピカルを少し抜いて潮っ気を出した感じ。
フレーバーは最初に強めの潮っ気、とにかく潮っ気。
正にスプリングバンク。
ほぼ同時にスパイスが寄せてきますがブラックベリーの甘みが上塗りするのでスパイスの主張が強すぎず弱すぎない。
何より中間が暴れず穏やかでじわじわーっと伸びるバランス。
そしてアルコール感もほとんど無い。
フィニッシュは長く少し辛口で最後の最後にバニラが出てきます。
今回酒屋さんからほぼ定価の約7000円で購入出来たのでこの味わいでこの価格と考えると驚愕。
ウイスキー愛飲者が群がる理由がわかります。


-おまけ-
スコットランドのキャンベルタウンと言えばマッサン(竹鶴政孝氏)の縁の地、もっと言えばジャパニーズウイスキーの礎になった地です。
マッサンが最初にスペイサイドのエルギンの著名な研究者の元を訪れるも門前払い。
その後近くのロングモーン蒸留所にて快く受け入れてもらい研修。
余市蒸留所のポットスチルはこの蒸留所のものと似ていると言われています。
その後マッサンはリタさんと結婚し、キャンベルタウンにあるヘーゼルバーン蒸留所で修行します。
キャンベルタウンは海沿いに位置しており余市蒸留所の立地の参考にしたと言われています。
マッサン帰国後、ヘーゼルバーン蒸留所を含むキャンベルタウンの蒸留所が当時スペイサイドウイスキーやブレンデッドウイスキーの台頭で追い込まれており、更にアメリカの禁酒法時代到来により需要が激減、更にはアメリカに粗悪品を密輸してしまった結果悪名を付けられ大打撃を受けたと言われています。
その影響で1925年にヘーゼルバーン蒸留所が閉鎖、その他のキャンベルタウンの蒸留所も数多く閉鎖。
現在キャンベルタウンで操業しているのは3蒸留所のみ。
その内の1つであるスプリングバンク蒸溜所が1997年からキャンベルタウンの復興を願い、ヘーゼルバーンの名を冠したウイスキーを最大限表現し生産しています。
ちなみにスプリングバンク蒸留所は工程の最初(製麦)から最後(瓶詰め)までを蒸溜所で行っておりそれもほとんどが手作業という重労働。
付け加えるとフロアモルティングによる自家製麦を100%行っているのはここだけ。
その為自ずと生産量が限られます。
加えて地域密着型の蒸留所故、昔からお付き合いのある方々を優先して販売されるので日本への入荷本数自体が非常に少ない。
そして世界中のウイスキー愛飲者から大人気。
そりゃこれ飲んだら虜になるよ。

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