安倍元総理暗殺。この痛ましい事件は政治テロとは無縁の日本社会の劣化が起こした社会現象なのだ。

安倍元総理の暗殺。とてもショッキングな事件だ。
色々な政治的思想の賛否はあれど、一人の大物政治家として活躍された安倍元総理の暗殺に心から哀悼の意を表したいと思います。
 犯人の山上徹也が恨んだのは恐らく統一教会なのだろう。安倍元総理は去年、この宗教団体のイベントにトランプ元大統領と一緒にビデオメッセージを送っている。蜜月時代を築いたトランプ元大統領との最初の接点も統一教会関係者が介在したとも言われてるほど距離が近いと指摘されていた。アメリカでも統一教会関連の宗教団体やNGOが何百もあると言われ、系列新聞も発行されている。そういう意味でもトランプ元大統領にとっても大きな票田ではあるのだ。
 しかし、政治家と宗教団体との相関関係は一定の範囲内で有れば別に非難されるものではない。思想信条の自由は当然守られなければいけないからだ。
 むしろ今回の安倍元総理暗殺は、統一教会と安倍元総理の関係が原因なら、政治思想テロでは全くなく私怨による暗殺で、それが安易に起こった日本社会の劣化が問題なのではないか、と私は思っている。
 宗教などに関係した個人的恨みで緻密な計画の元に堂々と暗殺を実行してしまう。「民主主義への挑戦」というような思想性が全くない私怨でこれだけ計画性のある殺人を敢行するのは、アメリカで頻発する未成年者や若年層の無差別殺人と根底で共通するものがあるのではないだろうか。そこに日本社会が向かう危険な方向性をこの痛ましい安倍元総理暗殺に感じてしまうのだ。

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