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百不思議の小学校‐真の魔王後編

「ハア、ハア、ハア」彼女はたくさんの魔物と戦い、やっと魔王の基地までやってきた。
彼女の前には不気味に見えないただの原っぱに立っている1つのマンションだった。悪魔の魔王がいる場所には思えなかった。さっきとは丸々違う。
そのまま前に進むと、一人の大男が現れた。金髪で黒いくのを羽織っていた。腕を見れば筋肉がわかる。彼は魔法ばかりを鍛えてきたわけではない。毎日運動をしていたのだと。
「お前は何者だ」争う気はなかったようだが、彼女にはあった。彼女は体力がほぼ残っていないのに剣を抜き、男めがけて突入した。
大男の魔王は軽々とよけたが、彼女はまだ戦う気があるようだ。彼女はまた飛び込んだ。数年前の優しい感じとは違う、魔王を倒そうとする魔王からすれば凶暴な人間だ。
戦いたくはなかったが、魔王は仕方なく相手をした。魔王は彼女の足を持つ空高く飛ばし、こぶしを彼女めがけて飛ばした。「お前の目的が何かは知らん、だが俺を攻撃したからにはブチ切れた!」
彼女は空高く吹っ飛び、口から少し血を噴出した。「あ゛あ゛あ゛あ゛ー!」彼女は意味の分からない叫びを出すと、空中を蹴り、魔王めがけて突っ込んだ。「まじかよ」魔王はその一言を残すと首を切り落とされ、動かなくなった。だが、彼女はまだ終わらなかった。
確かに彼女は目的の魔王になるということは達成した。彼女は魔王になることができた。できた。
だが、もう彼女は彼女じゃない。もう完全の別人だ。これは魔王になったからというわけではない。魔王になっても力が増し、魔王だけが持つ魔王証明を習得できるだけだ。もう一つといえば死人を生き返らすことができる。
彼女は今までの間、争ってきた。なのでもう昔の彼女ではない。世界で一番最強の人間、人間と呼べないほど化け物になった人間だ。
そのまま次の敵を探しに行った。次から次へと敵を切り捨てていった。本当なら魔王になればほかの魔王を殺すことができない。だが、彼女はそのルールを破ることができた。化け物になったからかもしれないし、ほかの理由かもしれない。だが、彼女は神からしても危険な存在だと思われた。だが、髪よりも強くなった彼女には神自身も何一つできなくなった。
最後の一人はあの少女だ。「おい…」魔王はつぶやいた。「どうしたんだよ」彼女は震えていた。恐怖などではない。悲しみだ。「なんでこうなったんだよ…」彼女は地面に崩れ落ちた。
今までは魔王の中でも最強と言われていた彼女でもこの少女には歯が立たない。何をしても無意味だった。最後の魔王を切り落とそうとしたとき、彼女は固まった。まるで何かが彼女に切るなと言っているかのようだ。
その時、魔王には見えていない彼女の厳格があった。「お前はこうなってしまったのか…」それはあの老人だった。振り上げた手は震えていた。「…なぜそうなった」老人の目は悲しそうに鋭かった。「お前は本当にそれが目的だったのか」老人は彼女に近づいてきた。「何一つしていない魔王たちを殺す。それが目的だったのか」彼女はやっと口を開いた。「そ、それは…」彼女の目からは一粒、2粒と涙がなられだした。「お前はなぜ今まで鍛えてきた。何をするために鍛えた。魔王を殺すためか、いったい何のために旅を始めたのだ」彼女も地面に崩れ落ちた。
横でしゃがみこんでいた魔王はいったい何が起きているのかわからなかった。目の前で彼女が一人ことを言っているかのようにしか。
「もう一度質問する。お前はいったい何のために旅を始めた」老人は彼女の高さにしゃがんだ。彼女の涙をぬぐうどうさをしたが、実際ではいない老人は涙に触れることはなかった。
「それは…」彼女は手に力を入れた。今まで老人を助けるために何年も訓練して、旅をしてきた。だが、この数日、その目的が変わってしまった気がしていた。もっと邪悪なものに。彼女は顔を上げた。
「あなたを助けるため」すると、その場が光りだした。『死者再生会リバイブフェスティバルを開始します』

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