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雨樋を火災保険でお金をかけず修繕するとは?


1.火災保険入っていますか?

日本は災害大国と言われるほど天災が他の国より格段に多い国です。
昨今大きな地震や風害、洪水等頻繁にニュースになっていますよね。

せっかく持ち家を持ったとしても、運悪く災害の多い地域に住むと家のあちこちが痛む事が多いのではないでしょうか?
その度にいちいち直しては壊れ、直しては壊れの繰り返しで資産にも影響が大きく、最近では持ち家よりもマンションや借家の方が良いとさえ言われています。

そのため、使える保険は賢く使わないとただの掛け捨てになってしまい、知らず知らずのうちに何も使わない保険に払い続けることになってしまいます。(もちろん無病息災・無事息災であるなら使う必要はないですが・・)

2.火災保険で災害で傷んだ雨樋を直す

今回は火災保険で雨樋を直す方法の紹介です。
火災保険は火事になった時にしか使えないのではないのか?誰もがそう思いますよね。火事で雨樋が壊れたから使えるの?と思ってしまうぐらい、みなさん最初は「?」になります。

私の経験談、或はノウハウの紹介という事で雨樋の保険適用のお話しをさせて頂きます。但し、災害にて傷んだ雨樋の修繕になります。経年劣化は適用外となります。

皆さんの家の雨樋は大丈夫ですか?雨樋といっても家のどこの場所なのかすらわからない人は実際いらっしゃるかと思います。

雨樋とは

雨樋(あまどい)とは、屋根に降った雨水を集めて地面や下水に流す部材です。軒先に取り付けるものを「軒樋(のきどい)」、軒樋から接続し、地面までつながる縦方向の樋を「竪樋(たてどい)」と呼びます。
余談ですが、業者によっても呼び方は変わり 「とゆ」といったり「とよ」ともいったり「とい」とも言います。田舎程、昔のこういった呼称をする傾向にありますね。

雨樋とはこんなやつです

皆さんの家にも付いているとは思いますが、最近の家はついていない家もありますので付いていない人は、この記事はあまり価値はないかもしれません。

雨樋は家にかかる雨水を任意の所に流し集め、地面まで安全に持っていくための部材です。これがないと、雨水は不特定の所に流れ浸水や外壁の故障、あるいは家の寿命を削っていきます。

※先ほど申し上げましたが、雨どいのない家もありますがそれは雨水の掃き方を別の方法で設けているのでご安心ください。

この雨樋は通常20~30年は持つと言われており、筆者が見たものですと40~50年手入れしていなくても健在なものもあります。

しかし、それは外圧がなくたまたま被害が無かっただけの家であって、
大抵は少し大きな災害が家を直撃した場合、真っ先に雨樋は損傷します。

大体私の住まう地域では、100軒に40軒は雨樋のどこかしらが損傷しています。あなたの家はどうですか?

雨樋は火災保険の対象内ですが・・・

という事で、火災保険で直しましょうというお話ですが、
どなたでもこれが受理されるという話ではないのが難しい所です。
先ほども申し上げましたが、災害でやられた雨樋ということになりますので時間がたって古くなって損傷しているだけの雨樋はそもそも対象外なのです。

という具合に保険を適用させるにあたり様々な条件があり、情勢があり、背景がありと素直に認定という話にならないのです。それは次の項で詳しくお話ししましょう。

火災保険を申請するには?

さきほど、災害で傷んだ雨樋を直すためには条件うんぬんが必要と申し上げましたが、それが多少の専門知識が必要になってきます。

個人で保険申請する場合、何からやっていいか普通の方はわかりません。
そもそも雨樋に火災保険?本当に適用できるのかすらこの記事を読むまでわからなかった人が多少なりともいらっしゃるでしょう。

事実、私のクライアントにはそういうい方が沢山おられました。
中にはめんどくさいから使わないなんて人もいらっしゃるぐらいです。

たしかに、少々めんどくさい所はあります。

火災保険を雨樋に使うめんどくささと高いハードル

雨樋の損傷個所を火災保険を申請するにあたり面倒な事が確かにあります。
それを箇条書きで説明します。

  • 申請方法がそもそもわからない

  • 仮に申請しても通るかわからない

  • 災害で壊れたかどうかわからない

  • 図面の書き方がわからない

  • どこに頼んでいいのかわからない

  • 過大な申請をして「不正請求」になるかもしれない

今までクライアントのご相談をまとめてみるとこういった意見が多かったです。

たしかに、災害と認定するにあたり「災害」で壊れたことを証明しなければいけません。パッと見て災害で壊れたのか、経年劣化で壊れたのか素人目でみても判断は難しいでしょう。
またそれが判断できたとして、どう証明するのか、どう図面を書かなければいけないのかわかりません。
そして、よしんばお金が下りたとしてどこに頼んでいいのかも大抵の人はわかりません。

大抵の人はそこらへんを想像して、火災保険が適応しそうだけど面倒だし難しそうだからといってあきらめてしまいます。そういう人が多いですしある意味では無難なのかもしれません。

どのような損害が対象なのか

風雪害が対象になります。
下の図のように明らかに人為的なものではなく風害、雪害で損傷した箇所は普通の人が見てもわかります。
下から見て肉眼でわからない場合であっても、雨の日にやたらうるさかったり、家の中まで浸水しているという事になれば雨樋の機能不全による損傷の可能性があります。

なんかうちの雨樋が歪んでるとおもったら

実際に保険金を申請して通った事例

実際のクライアントの事例を一つ紹介いたします。
これは相談のあった人の家の雨樋です。

雨樋が剥げている図

この写真をご覧になっていただければどこが壊れているかわかると思いますが、2階ベランダの上の雨樋。真ん中らへんがペラっと剥げているような感じがしませんか?これが災害による損傷個所です。
実際雨が降った時に剥げている所からベランダにボタボタボタと雨水が絶え間なく落ちてきます。浸水の危惧もさることながら、雨水の音が一番気になっていたとの事です。この家に限った話ではないですが、こういった家は割とよく見る光景です。
※詳しくいうと中に鉄心が入っている雨樋が激しい降雪時、表面のコーティングの継ぎ目から浸水し、中で氷結した際に水が膨張し表面コーティングを膨張圧力で剥がした際に見られる現象です。

ご主人はこれに悩まされて、家に浸水しないかどうか毎日不安を抱えていました。

火災保険に申請

上記の写真以外にもいたる雨樋や竪樋が損傷しており、集水桝(しゅうすいます:端っこについている箱みたいなやつ)や這樋(はいどい:屋根に這っている管みたいな雨樋)なども軒並みやられていました。この地区は、過去に風雪害が起こっており、やられ方もその風雪害の損傷であると断定。
資料を作成し、申請に至ったわけですが、
ご主人も、困っていても何をやっていいかわからずじまいで我々に相談し事を進めるまでただ悩んでいるだけの状態でした。

我々も事情を伺ったうえで、故障個所をつぶさに見、資料を作成。
保険会社の査定員が来訪し、事情を説明し無事保険金が下りました。


火災保険が下りた事例

しかしながら申請も非常に煩瑣、煩雑で査定員の厳しいハードルを越え、何とか災害お見舞金がでました。

※注意:申請はご自身でしないと法律違反となってしまいますので、人に頼むとしても申請と封筒の送付はご自身で行ってください。(弁護士は代弁権にて代理申請可能ですが、損害査定はほぼ素人で手数料を多く徴収します。しきりに悪徳業者に頼まず弁護士を通した方が安全と言っていますが理由は手数料がほしいからでしょう。また弁護士は修理費用の高い大手の業者を紹介するか、自分で探せと言います。)

終わりに

ここまでにかかった時間や経費、修繕経費等含めると決して高すぎるお見舞金ではなく大人が複数人何日もかかってもこれぐらいの額では決してプラスになったとは言えませんが、少なくてもご主人が寝ているときに雨水の五月蠅い音で起きることはしばらくないでしょう。

我々一同精一杯持てる知識を総動員し、ご主人ご家族の不安に対応できとても良い仕事をさせて頂けたとクライアントさんと一緒に満足しておりました。


我々はこういったご主人と同様の悩みを解決すべく、雨樋が損傷している方のお手伝いをさせて頂いております。
有料記事にて申請のやり方及び気を付けなければいけない点をご紹介しておりますが、損害箇所によっては保険金の可否がありますのでご注意ください。


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