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会談に出るフルコースの献立で方向性がわかる❓

キリリと冷えた酒を口に含み、吟醸香が鼻に抜ける。
「飲むかい❓」
「いえ、お酒は親しい方としか飲まないので」
「用心深いな…客とは飲まないのか?」
「基本的に飲めない設定にしてます」

和風カルパッチョがやってきて、口に運ぶと
柚子胡椒の風味がたつ…

「私はトロピカルを去るつもりだ。
そこで、リーオーの一部をキミに引き継いでほしい」
資料を渡すとさっと目を通す。
「この方は、ちょっとNGを出しているので」
ある男の資料が返却される…
「47号、田所 豊か…このオスとなにかあったのか」
「息子さんをお連れになったんです。
一回じゃなくて何回も」
「たしかアニメオタクと聞いたが」
「生身の女性に関心を持ってほしいという要望で一度遊びに来られたんですが、
彼には彼の考えがあって、それなのに
何回も連れてきて…」
「童貞のままか」
「ご本人の意志です」
「なるほど、親子ごとNGを出したのか」

タケノコの土瓶蒸しがやってきて
春の風が吹く…

「わかった。47号は美月に渡すよ。他は問題ないか?」
「存じ上げない方たちですので、一度お会いしてみないことには…」
「基本的にS傾向の連中だ。私が無理矢理奴隷にした。キミなら与し易いと思う」

しばし食事を堪能すると、麗菜が口を開いた。
「あの、先日見せた、その特権階級の人たちの
所へ行かれるんですか❓」
「特権階級か...まぁそうだな。連中をぐちゃぐちゃにしたくなった。今のリーオーを何人か連れて行けるが全員は無理なんでな…」
「ぐちゃぐちゃにできるんですか?」
「権力を持っている奴ほど、ベッドの上では
支配されたいものさ。是非会いたい人間もいるしな」
「会いたい人間ですか」
柑橘のいい風味が漂う。
「美味そうな合鴨だな」

「エイトアンドトェエルブグループの会長だ」
「コンビニのトップの方ですか?」
「ああ私の実家はそこのフランチャイズ店を
経営しててね、母親はそいつの親戚だ」
「直営店じゃないんですね」
「不思議な話だよ。フランチャイズ店の
使いっ走りに嫁入りしたわけだからね。
ただ、その使いっ走りが今、反抗しているんだ」
「24時間営業反対ですか」
「詳しいな、その通りだ」
「ちょうどお客様にいるんです。別のコンビニですが、揉めているそうです」
「人手不足もそうだが、費用対効果も悪い…
資源の無駄…いいことなんかない」

「親孝行ですか」
「ずっと父親をうだつの上がらないオスと見下していた。母親の顔色をうかがっていて
情けない経営者だと思っていたが…
反抗して、あの母親も別れず、店を手伝っている。久々に実家に帰ったが、驚いたよ」

「頑張ってください」
イチゴのソルベは甘味と酸味のバランスがよかった。

ホントにありがとうございます😭 さらによい作品を作り還元していきたいと思います♪