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新宿でみた大道芸【2012年10月】

20012年10月の、とある日曜日に見たもの。

東京、新宿通りは歩行者天国になっていました。
歩行者天国、言葉にして理由をあらわすのは難しい、なにか気持ちに高揚感を与える響きです。

パーカーにハーフパンツ、スニーカーというラフな姿。
メガネをかけた堂々たる体躯に不釣り合いとも思えるような甲高い声を出す大道芸人の人がそこにいました。
スケッチブックに書かれた「5分前」の表示にもかかわらず、その大道芸人の人を中心に据えて人が集まっていました。
朝からの雨はすっかりあがり、乾いてきたアスファルトに腰を下ろす人も少なくありません。
風船や缶コーラ、タバコを使ったマジックを披露するに従って、お客さんの数もどんどん増えて行きます。
マジックに伴う、けたたましいほどのおしゃべりに歩行者天国をいく人たちが次々と足を止めます。
大道芸人の人は、一番前にすわって見ていた6歳ぐらいの男の子の手を引いて連れ出すと、風船を膨らませて何かニギニギし始めました。
小学校1年生だという。
風船をニギニギしながら大道芸人の人は男の子に「どんな犬が好き?」の質問に続けて、「プードルとかチワワとかセントバーナードとかさ?」
そんな子どもに犬種きいてもわからんだろう、と思って見ていたら案の定、よくわかんない、というリアクション。
でも大丈夫です。
なぜなら大道芸人の人は、犬の質問と全く無関係なものを風船でニギニギしていたからです。
そうしてニギニギされた風船は、、、

なんだかよくわからないものでした。
大道芸人の人の作る風船といえば、初めはなんだかわからないけれど、徐々に作り上げられて行き、完成したら動物とかピンクパンサーとかになるのかと思っていましたが。
今回はちょっと違った。
なんとなく「これで完成でいいや」みたいな雰囲気でしたが、その後、それがスタンドマイクとギターであることが判明。
そんな感じでも、巧みなおしゃべりにお客さんは惹きつけられて行きます。
ハンガーを使った芸など、なんじゃ?という気がしないでもないものの、なにか楽しいことを見せてくれるだろうという気持ち、お客さんの顔にはみな微笑みが浮かんでいました。
最後はグラグラな上での芸です。
刃渡り30cmはあろうかと思われる大きなナイフを3本持ち出すと、お客さんのお兄さんに1本、手渡しました。
グラグラな上に飛び乗った瞬間、お客さんから「おーッ!!」の声と大きな拍手。
左右の手に1本ずつ巨大ナイフを持った大道芸人の人めがけて、お客さんのお兄さんは3本目のナイフを順番に投げ入れました。
3本のナイフが大道芸人の人の前でくるくると投げ回されました。
大きな拍手がさらに大きくなりました。
そしてフィナーレ。

新宿の歩行者天国で見る大道芸はやはり一味違う、と思いました。

おわり

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