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神宮外苑でみた大道芸 後編【2009年11月】

(つづき)

ようやく色づき始めたいちょうに秋の深まりを感じながら、神宮外苑のいちょう祭りで行われていた大道芸は、多くのお客さんに囲まれ盛り上がりを見せていました。

笑いを交えたボールジャグリングや、二つのお椀を背中合わせにしたようなコマをひょいひょいやったり、おなじみ大道芸パフォーマンスにお客さんも楽しさがあふれていました。

それから、なにか黒い棒を持ち出してきました。
大道芸人の人が言うには、たいまつらしい。
大道芸人の人は、たいまつに火をつけました。
燃え盛る炎。
ダンジョンの暗闇を明るく照らしそうです(道具屋で8G)。
ここで、こぼれるほどの笑顔で見ていたファミリーのお父上が大道芸人の人のアシスタントとして任命されました。
アシスタントの人に手渡されたたいまつは、大道芸人の人の手により着火されました。
アシスタントの人は大道芸人の人のアドバイス通り、火のついたたいまつを大道芸人の人に向かって投げました。
大道芸人の人はそれを受け取ると同時に自ら持っていた2本のたいまつを投げ回し、見事に3本のたいまつでジャグリングがスタートしました。
全体から「お〜〜〜〜っ!!」の声とともに大きな拍手が湧きました。
失敗したら火傷しそうです。
危険な感じがするだけに、インパクトも強い。
やはりこういうのはナマで見なければ伝わらない。
ファイヤージャグリングというのかな、火がグイングイン回ってます。
それでも終始笑いを誘いながらのパフォーマンスにびっくりです。
数百人規模まで膨れ上がっているお客さんはみんなもう釘付けです。

盛り上がりを維持したまま、2m近い高さのある一輪車が登場。
そこで形も重さも違う3つのものを投げ回すと言います。
その3つとは、先ほどまで使っていたたいまつ、二つ目は刃渡り30cmはあろうかという大きなナイフ、そして三つ目は、、、りんご。
りんごと言えばゴリラですが、今回ゴリラは関係ありませんでした。
まったく話題にもなりませんでした。
ゴリラがあったのは飛吉の頭のなかだけでした。
さて大きな一輪車に乗り、3つの道具が投げ回されるとこれまで以上の大きな歓声と拍手が巻き起こりました。
大道芸人の人は一輪車でジャグリングを続けながら
「ぜひ、りんごを食べる音をよく聞いてください!」
たいまつが、ナイフが、りんごが、大道芸人の人の手に握られ、手を離れ、宙を舞い続けます。
全観客の注目が集まる次の瞬間。
一瞬の静寂。


がぶりッ!!


一輪車に乗りジャグリングをしながらりんごをかじる音が高らかに響きました。
地響きとも思える歓声と拍手が起こりました。
ボルテージは最高潮。
かじられたりんごが最後に高く投げ上げられ、ナイフの先端にブスリと刺さって終了しました。

中盤に差し掛かる前にお客さんの数はもう雪だるま式に増えて行く感じで、前2,3列はしっかりと腰を下ろし、その後ろに何重にも列ができていました。
笑顔、拍手、思わず出る歓声。
一部の人だけが面白がっているのではなく、盛り上がるところでは全体からワッ!と盛り上がる一体感はテレビやネット配信ではわからない、これぞ大道芸といった感じで、たいそう満足した飛吉でありました。

おわり

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