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(2024年4月)深川でみた大道芸 その2

(つづき)

銅像が「CLOSED」になっていたのでOPENになるまでの間、歩行者天国を歩いていました。
そこで、日常生活からかけ離れた姿をした人がいました。
顔だけが白塗りされ、それ以外の部分は頭から足の先まで真っ赤な衣装に身を包んだ人でした。
そんな奇妙な姿なのに、顔の白塗りがバカ殿を連想させないのはなぜだろう?
その赤い人のそばには「マジックショー スタート 5分前」と書かれたボードがありました。
マジックショーがはじまるらしく、確かにすでに腰を下ろして眺めている人も10人程度はおり、周りで様子を見ている人もそれなりの数いました。
個人的にはマジックは見ててなんか「だまされてる感」があるのですが、せっかくなので見てみることに。
ウォーミングアップ的なマジックを見せた後、「マジックショー スタート 5分前」のボードは「スタート」へと切り替えられました。

ブリキのバケツを手にした赤い人は、座って見ているお客さんの髪に右手で触れました。
そしてお客さんの髪からなんとコインを取り出し、ブリキのバケツへガラン、と入れました。
隣に座る人も、立っている人も、老いも若きも、赤い人は次から次へとお客さんの髪に触れると、髪からコインを取り出しバケツへ入れていくのです。
スキンヘッドの人からもバケツの中へコインが入りました。
みんな頭にコインを持ってるの?

他にもロープを使ったマジックや、コーラ缶を使ったマジックなどを披露して楽しませてくれた後はトランプを使ったマジックです。
お客さんの中から一人の少女を連れ出しました。
みんなの前で少女はトランプの中から一枚を選び取り黒マジックでマーキングしました。
一方で赤い人も別のトランプカードに自らマーキング。
そこから先は、、、不思議の連続でした。
最後にはチュッパチャプスまで現れてしまう摩訶不思議アドベンチャー。
謎が謎を呼ぶ展開です。←いや、マジックだから
驚きの声と大きな拍手が送られました。
歩行者天国となった路上を舞台にしたショータイムは、見る人も道路へ座り込み、あるいは歩道脇からも気楽に立ち寄るように観覧するリラックスした気分で誰もが楽しんでいました。

それにしても、やることなすこと、どれも魔法のようです。
白塗りの赤い人(バカ殿は無関係)は魔法の国から来た魔法使いのようです。
手に杖を持っていないのが残念です。
魔法使いといったら杖です。
ぺーといったらパー子です。
赤い人の手にした6本の金属製のリングが、「キン!」と鋭く甲高い音をたてながら繋がったり離れたり。
まるで夢の中へ迷い込んだようです。
最後は、一片の紙を使用したストーリー仕立てのマジックでした。
儚くも美しい、というのでしょうか、幻想感まで漂い、終わったあとはあたたかく優しい拍手で包まれました。

室内ではなく、屋外それも歩行者天国という場所で行われたマジックショーは、赤い人のもつ独特な世界観により作り出された空間で行われたことにより、不思議を楽しむ満足感を与えてくれたのでした。

おわり

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