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小説 縁 序章

私は縁。縁と書いてゆかりと読む。でも周りはみどりちゃんと呼ぶ。

初めて会う人は名前を見て「みどりちゃんだね」と声をかけて来ることが本当に多い。「みどりじゃないからゆかりだから」と何度も言ってきたが、訂正するのもは面倒になってきて今は「みどり」ということにしている。

たまに「これ「えん」だよね。ひょっとして「ゆかり」じゃないの」と気づく人もいるが周りが混乱するので「みどり」って呼んでって言っている。

自分で言うのもなんだが結構かわいい。小さなころから大人の男が話しかけることが多い。

それに気が付いた母がメガネをかけさせ髪も短くし地味な格好にさせられている。そのおかげで大人の男から声をかけられることも少なくなった。

それと共に「頭よさそうね」それが私に対する誉め言葉。

そんなに勉強するほうではなかったけど、なんとなく勉強しないとダメなのかなと思い、必死に勉強するようになった。

高学年になり成績もよくなると今度は「がり勉」と呼ばれるように。

そんなちょっとしたからかいから、物を隠されたりするようになってきてイジメが始まった。

イジメを主導しているのは地主の娘。髪型も着ているものも決まっている。私には勝てそうにない。

だが、母に相談するといつの間にかイジメが無くなった。それから地主の娘が私を恐れるようになった。何があったのかよくわからない。

母に聞くと「大丈夫よ」と笑うだけだった。

中学で に続く 全6話です

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