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“産まれた子どもはダウン症„

(障がい児)通園施設の指導員として勤めていた頃、自閉症(当時)、未熟児、脳性麻痺、ダウン症、原因不明の発達障がい児等、様々な何らかの療育が必要な児童が通っていました。

 その場所は、育児に悩む保護者の安らぐ居場所でもありました。

〇〇ちゃんはダウン症でした。
〇〇せんせ~いと、いつも明るく愛嬌のある笑顔でやって来ました。

今でも、その児童の笑顔や姿は、そのまま目に浮かびます。

祖父母、両親、兄姉の7人家族です。兄や姉も、とても可愛がっていました。勿論お父さんも。

お母さんは明るい方でした。
或る時、ポツリと話されました。

「この子が産まれた時、ダウン症と知りました。親類や友人達が出産祝いに訪れるのが、とても嫌でした。子どもの顔をタオル等で覆ってしまいたいくらいでした…」と

今の明るいお母さんから想像できないような言葉でした。

(障害児は使わない)通園施設というこのような気兼ねの要らない居場所だからこそ、お母さんも自然に本音を話せたのかも知れません。

ハンディキャップのある子どもが産まれると、母親はその辛さ(責任)を一心に背負います。

その母親を救うのは、家族の支えや理解、共有が何よりでしょう。

ある日、〇〇ちゃんのおじいちゃんが言いました。

この子は、家の宝。大事な宝だと…

お母さんは、おじいちゃんの言葉には、とても救われたことでしょう。

その言葉は、おじいちゃんにとっても本心だと私は思っています。

太陽のような、明るい笑顔の子どもでしたので…周りの人々も〇〇ちゃんが通園すると、みなが笑顔になりました。

母親は、おじいちゃんの言葉に、本心、本当に救われた思いだったと思います。思い出しました。



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