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”自閉症スペクトラム„ Bちゃんのケ―ス

(障がい児)通園施設の通園児のケ―スについて、様々の症状や行動について書きたいと思います。

Bちゃんのケ―ス:男児(3~4歳)は数字、仮名や漢字等には同年齢の児童と比較すると大変優れています。確か、難しい漢字なんかも読むことが出来ていました。

Bちゃんのお母さんは【自閉症】という障がい名には抵抗があったみたいで、【多分、アスペルガーでは…】と言っていました。

本児は、殊に数字には興味・関心があり、長けていました。具体的な決まった学習には、すごい能力を発揮しました。拘りはあっても、危険といった問題行動は余り見られません。

発語は抑揚のない感じですが、〇〇してください等と、自ら要求することが出来ました。

ある日、みんなで確か保育園だったと思いますが、園の運動会を観に行きました。

Bちゃんは、集団の中で大声を出すこともなく、大勢の中に入っても困る行動は殆どなかったと記憶しています。

園児の競争や遊戯を観戦していると、Bちゃんの近くに座って観戦していた2人の高齢者(多分、保育園児の祖父母?)のおばあちゃんが千円札を財布から取り出されました。

千円札を見たBちゃんは、その方の手から千円札をサッと取り上げました。数字に興味・関心のあるBちゃんは、千円札が欲しかった訳ではなく、千円札の数字や記号に興味・関心を示したのです。

いつも接している指導員には、本児の行動を理解できますが、知らない人は、「あの子は千円札を盗った…」と映ったでしょう。

こんな場合、お母さんは、その方に何と説明したらいいのでしょう。ただただ詫びるしかありません。

パニックを起こす時は、Bちゃんが理解できない出来事の時です。

《5つのメロンパンの歌/ユ―チュ―ブ参照》…の指遊びの時、子ども達に「〇〇ちゃんは何パンが好き」と聞き、その〇〇パンと各児童の名前で歌います。メロンパン等を〇〇ちゃんが買いに来るのですが…

左手の指がメロンパン、右手の人差し指が児童。右人差し指を動かしながら「おばさん、メロンパン1つちょうだい…」と言うと、おばさんが左手5本の指を1本ずつ折ります。段々と少なくなり、最後はグ―になるのですが、その時、偶々Bちゃんが買いに来た時に、メロンパンは全て無くなっています。

パン屋に0個のメロンパン、みんな売り切れメロンパン、Bちゃんが1人やって来て……と歌い、あら~Bちゃんゴメンネ。パンは売り切れました。明日買いに来てね~と歌うのですが、Bちゃんは現実との区別が解らずに、「ヤダヤダヤダ」と本気でパニックになっていました。

殆どの児童は、【ざ~んねん】といった感じで受け止めるのですが…

後は、人形が隠れるほどの2箱を別々に離して置き、1つの箱に人形を入れます。人形がこの箱に入っていると説明(人形が遊びに行きたくなりました…)して、別の箱に移します。その後、人形は帰りたくなりました。と、また元の箱に移します。

さて、どちらの箱に入っているでしょう?とかいった質問には、殆ど見当がつかなかったようで、きょとんとしていました。

このように、【自閉症スペクトラム】との障がい名は同じでも、行動・能力等々は異なることを知って欲しいと思います。

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