第10話 予想していなかったこと

主な登場人物(実在する人物と関係ありません)

  • 新任教諭(音楽専科)長谷川先生

  • 担任の先生(音楽部 長谷川先生の先輩)鈴木先生

  • 指導教官(ベテラン教務主任)村上先生

  • 斎藤先生と同期の音楽専科(他校に配属)岩倉先生

  • 研究会の主宰者(ベテラン音楽専科)日村先生

第10話 予想していなかったこと

3年生。お祭りの音楽の学習場面。
青森の「ねぶた祭」の音楽を聴いていたときに、A君から

「秋田県のお祭りの音楽も聴きたい」

という発言があった。長谷川は、日本全国のお祭りが教科書に掲載されていることを知ってはいたが、子どもから「〇〇県のお祭りの音楽も聴きたい!」という発言が出ることを予想できていなかった。そのため、A君から話があったときに

「それじゃあ、今調べてみようか」

と伝えて、その場で「秋田県 小山祭」とインターネットで検索するという判断をした。しかし、検索しても子どもに見せられそうな動画が出てこない。なんとなく一番よさそうな動画を選んで流してみたが、音質が悪く子どもたちは、つまらなそうにしてしまった。

(〇〇県のお祭りを聴きたい!という気持ちは嬉しいけど、なんだか残念な授業になってしまったな・・。A君の話はスルーすればよかったかな。。)

長谷川は、授業をしながら落ち込んでしまった。

作者コメント

A君の「〇〇県のお祭りの音楽も聴きたい!」という発言は、とても素敵なものだと思います。ただし、長谷川先生はその発言に対応することができず授業が上手くいかなくなってしまいました。このような発言があったときに、どのような対応が考えられるのでしょうか。

➀子ども自身のタブレット端末を使用して調べさせる

②後日紹介するパターン

③そもそも、このような発言を予想して授業を組み立てるパターン

今回の事例で考えると、➀では適切な動画を見つけることは難しかったのではないかと思います。②については、子どもの興味関心が次回の授業では薄まているかもしれません。③のように、子どもの発言を予想していおくということが必要だったのかもしれないなと感じました。

教科書に掲載されている民謡の動画を、ホームページにまとめておくなどすれば、今回のような児童の発言に適切に対応できたのではないかと感じます。

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