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ダイヤモンドにまつわる秘話と、あなたの未知の可能性について。


こんにちは、いづみです。
記事に気づいてくれて、嬉しいです。
ありがとう。

あなたは今日、どんな一日を過ごしていますか?
私は今、関西空港から京都に向かう新幹線の中です。新幹線「はるか」に乗っているのですが、「はるか」はハローキティとコラボ中のようで、シートカバーにはかわいらしいキティちゃんがプリントされています。


今日から4月。


朝から気持ちのよい一日で、窓の向こうには青空が広がっています。窓ガラスに反射した陽射しが眩しくて、思わず目を閉じてしまう。それでもまぶたの裏には、無数の小さな光の残像が残っています。

日本での4月は、新しい年度のはじまり。
職場や学校で新生活が始まる人も多いと思うのですか、あなたもその一人なのかな? 
環境は変わらなかったとしても、新年度はなにかと気忙しく、気分が沈みがちになることも。


あなたもそんな気持ちでいるのなら、ちょっとした気分転換にでもなればと、この記事を書いています。以前に書いたものを、ふと思いついてリライトしてみました。

話題はダイヤモンド。
宝石の中でも、ひときわ人々の心を捉え続けるダイヤにまつわる興味深い話です。

このエピソードは、あるいはあなたの人生の流れを変える、大きなヒントになってくれるかもしれません。
それも、とてもよい方向へ。



少しの間、今の場所を離れて、私と一緒に500年前のヨーロッパ、「北のベニス」と呼ばれているブルージュという美しい街をのぞいてみませんか? 


いい? よかった。嬉しい、ありがとう。
それでは、早速はじめましょう!


今でこそ、数ある宝石の中でも比類なき輝きを放つダイヤですが、実は中世のある時期までは、一般的な宝飾品としての価値はそんなに高くはなかったんです。


というのも、ダイヤの原石はあまりにも硬く、当時の技術では研磨することができなかったから。


ダイヤモンドの歴史は古く、インドでは紀元前4世紀から取り引きされていたと言われています。


古代では、ダイヤの原石の美しさや希少性は、富や権力の象徴と見なされ、特権階級の人々のみが手にすることができた、特別な石でした。


神々への贈り物として捧げたり、重要な儀式で使用するなど、ダイヤは所有者の権威を現すシンボルとしての意味合いが強かったようです。


そのダイヤが、最高峰の宝石として輝き出したのは、ある青年の忘れがたい恋がきっかけでした。


彼の名は、ルドウィック・ヴァン・ベルケム。
時は中世ヨーロッパ。現在のベルギーにあるブルージュという小さな街の宝石職人です。


ベルケムは生まれつき片足が不自由で、身分もそんなに高くはありませんでした。でも、実直で腕のいい職人だったようで、ある工房の親方に認められ、彼の元で熱心に仕事に励んでいました。


ところがある日、静かで穏やかに流れていたベルケムの人生が一変します。偶然にも親方の美しい娘を目にした彼は、一目で恋に落ちてしまったのです。


口下手で物静かなベルケムにとって、それはかつて味わったことのないほど、強烈で激しい感情でした。一瞬たりとも、彼女の笑顔を忘れることができません。何カ月も悩みに悩んだ末、ベルケムはとうとう、勇気を出して親方に自分の気持ちを打ち明けることにしました。


「お嬢さんと結婚させて下さい」 


結婚は家と家との利害が一致した時に成立すると考えられていた、中世ヨーロッパ。王家や貴族の間でも、政略結婚があたりまえの時代です。そんな中で、ベルケムの申し出が叶えられるはずはありません。名のある工房の主で、貴族とも関わりの深い親方としては、身分が低く、体に障害もある男と娘の結婚など、許すわけにはいかなかったのです。

ただ、親方は頭ごなしにベルケムをはねつけたわけではありませんでした。一説には、彼の娘もまた、ベルケムに好意をよせていたとも言われています。その真偽のほどは分かりませんが、親方はベルケムに対し、無理難題ともいえる、ひとつの条件を出します。


それは、今まで誰も研磨することのできなかったダイヤモンドを、美しくカットし、磨き上げること。


ベルケムが住んでいた当時のブルージュは、ブルゴーニュ公国の一部で、宝石の研磨技術が栄えた場所として、ヨーロッパでも注目を集めていました。でも、多くの名工たちが腕をふるうブルージュにさえ、ダイヤを削り、磨くことのできる職人は一人もいませんでした。


もしかしたら親方は、宝石職人としてのベルケムの腕が惜しいあまり、そんな条件を出したのかもしれません。娘への恋を早々にあきらめさせ、これまでのように仕事に集中してもらおうと。


けれど、ベルケムはその条件に自分のすべてを賭ける決意をします。


それ以来、彼はあらゆる方法を試し続けました。くる日もくる日も、何とかダイヤの原石を削り、美しい宝石に磨き上げようと苦戦するベルケム。しかし、どの方法も上手くいかず、工具の刃は虚しく折れ続け、彼にとって苦しい日々が続きます。


ベルケムは工房にこもり、思いつく限り、すべての手法を試しました。先輩の宝石職人を訪ねては話を聞き、古い文献を読みあさります。ところが、どんな知恵や道具をもってしても、目の前のダイヤの原石は、かたくなに彼をはねつけるのです。もうできることは何もありません。


それても、ベルケムはどうしてもあきらめることができませんでした。彼の思いもまた、彼を寄せつけない原石たちのように、固く、決して揺らぐことのない強いものだったのです。


そして、食事はおろか、眠ることさえも忘れる長い日々が続いた果てに...,.、ある時。


「それ」が、この一途な青年の元を不意に訪れたのです。


彼女への愛のために、宝石職人としての自分のすべてを捧げたベルケムの脳裏に、ある日、奇跡ともいえるその「ひらめき」が訪れ、青年の全身を揺さぶりました。


「この石以上にかたい石が存在しないのなら、ダイヤでダイヤを削るしかないじないか!」


それは、歴史が動いた瞬間でもありました。


粉末状のダイヤモンドを施した剛鉄の回転盤を使い、摩擦を利用して、大きなサイズのダイヤモンドの原石を磨く。


誰も思いつかなかったその画期的な方法で、彼はとうとう、気高くも明確なファセット(宝石、貴石などの研磨した面)を、ダイヤの原石につけることに成功したのです。


人類史上初めて、美しくカットされたダイヤモンドが見事に輝いた、その直後。


貴族たちの間で、ダイヤモンドの一大ブームがまき起こり、ベルケムは宝石職人として、不動の地位を手に入れます。


街が新しい宝石の熱気と輝きに包まれる中、ベルケムの切ない恋は、彼の夢見た結婚という形で、美しく実を結びました。

当時、絶大な権力を誇っていたブルゴーニュ公国のシャルル大公も、非常に希少価値の高いダイヤモンドの原石の研磨を、ベルケムに託しました。



伝説のダイヤと言われる、サンシーダイヤモンド、そして、フローレンティンダイヤモンド
どれも、ベルケム自身の手によって生み出された他に類を見ないダイヤモンドとして、歴史に名を残しています。

体が不自由で身分も低かった青年が、一人の女性に恋をした。それは、身分階級のはっきりとしていた中世では、到底叶うはずのなかった夢物語。


でもその夢は、夢では終わらなかった。


誰にも見えなかった自分の無限の可能性を、ベルケムだけが必死に「見ようとし続けた」のです。

愛する人がそばにいてくれる生活。彼女の薬指に輝く、美しく研磨されたダイヤモンド。そして、誰の追随も許さない、唯一無二の宝石職人としての地位。

思い描いた夢を遮るすべての壁を、500年以上も前に生きていた一人の青年が、見事に崩してみせた。


これが、多くの女性の心をときめかせるダイヤモンドにまつわる秘話です。ダイヤモンドの輝きは、ただ美しいだけではない。それは、一人の人間に秘められた可能性への祝福、と言い換えることができるのかもしれません。

もしも、この話があなたの心に響いたのだとしたら,,,,.,。
あなたもぜひ、そういう目で自分を見続けてあげてください。



あなたという原石ににファセットをほどこす決心ができるのは、この世でたった一人、あなただけ。
誰がなんと言おうと、あなたは美しい原石で、それを磨けるのもまた、あなただけなのですから。

最後まで読んでくれて、ありがとう。
あなたとまた会えたら、嬉しいな。

あなたの新年度、そしてこれからの人生に、素晴らしい幸せが訪れることを、心から願っています。


いづみ





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