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自分で言えるよ


      はじめに


この作品は『とんまるの部屋』を開設する以前に私が丸井もちさんに挿し絵をお願いしたお話です😌
本来ならば、私の所で投稿するお話ですが、やはり、私の中ではもちさんの力を借りて出来上がった作品なので『とんまるの部屋』で投稿していたお話です🍀もちさんの了承を得てこちらから再掲させていただきます😌


     自分で言えるよ



私はいつも周りのこと気にしちゃう。

『かんなちゃん、ブランコで遊ぼ』

『え?あ、うん!』

(本当は、すべり台で遊びたかったな)

『じゃあね!かんなちゃん、また明日ね!』

今日も私の気持ち言えなかったなぁ。


だって、違うこと言ったらみんな、どう思うかな?

(ブランコで遊ぼって言ってるのにかんなちゃんはすべり台がいいって言った!)とか思われたら嫌だし。

私はもう2年生なのに。

みんな、やりたい事とかちゃんと言えるのに。

私はどうしても、こんな事言ったらみんなどう思うかな?って考えちゃう。

本当はみんなと思いっきり楽しく遊びたいのに。

いつも『うん、いいよ』ってみんなと同じにしちゃう。

『ただいま!』

『おかえりなさい!今日も友だちと楽しく遊べた?』

『え?あ、うん…』

『そう、良かったね!』

『ゆず〜、ただいま〜』

『にゃ〜』

この子はネコのゆず!

私が3さいの時にうちに来たの。

ゆずが1番わたしのお話し聞いてくれるの。

『ゆず〜、あのね、今日も、わたし友達にやりたい事、自分の気持ち言えなかったの。本当はね、ブランコじゃなくてすべり台で遊びたかったの。なんで言えないのかなぁ』

『にゃ〜』

『いいよ、ゆずはお話し聞いてくれるだけでいいの』

『かんな、なんで自分の気持ち友達に言えないの?』


『…え?えー!!』

『ゆ、ゆず??』

『そうだよ』

『ゆず!お話できるの?』

『うん、かんなの事毎日見てて、今日だけ話せるようになってる』

『そうなんだ、、、ゆず、私にも分かんないの。なんで自分の気持ち言えないのか。でもね、言っちゃうとみんなになんて思われるんだろって気になっちゃうの、だから…』

『かんな、それってみんながどう思ってるかじゃなくて、かんなが、どう思ってるかだよ』

『え?どう言うこと?』

『かんなはきっと、みんなが気にしてるって思ってるんだろうけど、本当は、かんなが自分の頭の中で考えちゃってるだけなんだよ』

『え?』

『こうしたいけど、でもなぁって思うのは、かんなの頭。みんながどう思ってるかじゃないんだ。』

『みんなは、ちゃんと自分の思った事を伝えられてるから周りのみんなに伝わるんだよ。でも、かんなは言いたくても自分の頭の中が先に、みんながそう思ってなくても、そう思ってるって考えちゃうんだよ』

(あ!そうかもしれない!みんなが本当にすべり台イヤだ!なんて言ったんじゃない。私が自分で思ってただけだもん)

『かんな、少し素直にやりたいことを友達に伝えてごらんよ。友達を傷つけたり、嫌な気持ちにさせるんじゃないんだから、こんな事言ったらどう思うかな?って先に考えないで言ってみてごらん。きっと、楽しくなるから!』

『うん!』



『かんなちゃん!今日は何する?』

『え?あ…うん…』

(どうしよう、今日こそ、すべり台って言いたい)

『じゃ、今日はてつぼうにする?』

…『かんなちゃん?』

『すべり台…』

『え?何?かんなちゃん』

『私、すべり台で遊びたいの』

『すべり台?』

(あ、やっぱり言わない方がよかったかな?)

『うん!いいよ!今日はすべり台で遊ぼ!』

『うん!!』

(ゆず!言えたよ!本当だ!ゆずの言う通りだ。私が思ってるだけ、みんな嫌だなんて思ってなかったよ!)


『ただいま!ゆず!』

『ゆず!聞いて!私、言えたよ!ちゃんと言えた!だからすっごく楽しかった!これからも、ちゃんと言うね!!』

『にゃ〜』

『ゆず?』

『にゃ〜』

『お話しできないの?もう、できなくなっちゃったの?』

『にゃ〜』

『ゆず、ありがとう!もう私ちゃんと言えるよ!』

本当はもっと、ゆずとお話ししたかったけど。

ゆずは私の顔を見て安心してるんだね。

大丈夫だよ!ありがとう!!

         おしまい

        【作:とんたん 絵:丸井もち】


🌼短い期間でしたが、『とんまるの部屋』を応援してくださり、本当にありがとうございました☺️✨

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