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お元気ですか?



いくつかの小学校から1つの中学に集まって。

そこから新たなスタート。

1年生の時はあなたの存在すら知らなかったけど。

2年生から同じクラスに。

特に意識するわけでもなく、名前と顔をお互い覚えて。

私は話しかけられても。

「うん、そだね」とか「へぇーそうなんだ」

と返すくらい。

席替えで私の隣の席になったあなた。

よく忘れ物をしたあなた。

消しゴム忘れたあなたと一緒に消しゴムを使って。

タイミングで手と手が触れる。

その瞬間、お互いが消しゴムから手を離す。

ある日あなたの友達から

「あいつ、お前のこと好きなんだよ」

私は恥ずかしくて

「そう」

そう言ってその場を立ち去った。

それから、あなたを意識するようになった。

廊下を歩いてると向こうからあなたが歩いて来る。

すれ違う瞬間手と手が触れる。

あなたはいつも真ん中を歩く。

すれ違う度に触れる手。

部活はお互いテニス部。

ラリーをする事になった。

何故かあなたと私がペアに。

永遠と続きそうなラリー。

やがて冷やかしの声が聞こえて来た。

恥ずかしくなった私は。

わざと、失敗してラリーを止めた。

素直になれないまま過ぎていく。

お互い自転車通学。

ある日の下校時間。

いつものように自転車置き場に行くと。

あなたとあなたの友達が立っていた。

「ほら、今日しかないぞ、早く言えよ」

と、あなたの友達の声。

「なんて言えばいい?」

と、あなた。

「ストレートに好きですでいいじゃん」

そんな会話が聞こえた。

私は早くその場から立ち去った。

なぜなら、私の隣には親友がいたから。

あなたの事が大好きだという親友がいたから。


そのまま月日が流れて卒業し。

高校も同じ高校に進学。

お互い好きな人ができて。

そのまま卒業。

あれから随分経ちましたね。

お元気ですか?

今、どうしてますか?

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忘れられない恋物語

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