私は男に生まれたかったと言った。
じゃあ誰になりたいのかと言えば、
圧倒的に奥田民生。

奥田民生さんがみんなにかっこよすぎとか、
奥田民生になりたいボーイとか言われて、
どう思っているのかはわからないけれど。

男の(女でも?)価値観でいう、完全体じゃないかと思う。
作る曲はもちろん、
演奏しても歌ってもしゃべっても、
いつの時代を切り取っても、
漏れ出るエピソードも全部かっこいい。
(Wikipediaで読んだトータス松本を諭した話なんか、
本当にシビれた)
嘘だと思うなら、確かめてみてほしい。

嘘も虚栄も無理もブランド服もストレートパーマも
ダイエットも若作りもサービス精神も
人間のあがきみたいなもの全て、
俺には要らないですよっていう余裕。
いいなぁ。
私たち全員が捨てたいものを捨て、
それでも尚成り立っている、奇跡の人。

だいたい、歳をとればどんな巨匠でも
時代遅れ感とか、みっともない執着とか、
パワーややる気の低下とか、妙な威張り感とか
何かしら周りをがっかりするものを出してしまう。
普通の人間ならなおさら、
自分にがっかりしながら歳を取っていく。
それなのに。

奥田民生になりたい。
きっと私は20年前からそう思っていたのだ。
運命的なものを感じた閏年の１日。