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私の愛について

愛を感じる対象なんて人間とも限らない。
動物にだって感じるし、何なら物にだって。
私が一番愛を感じる瞬間は美しいものを見たときである。
繊細なレェスの装飾が施されたフランボワァズ色のワンピヰスを見ると心が躍る。
アングルの陶器のような質感で描かれた女性像、クリムトの官能的で豪奢な恋人像は何時視ても陶酔うっとりするものだ。

其れ故に、最近の通称ポリコレだのボディポジティブ運動なる莫迦莫迦しいブゥム、ムゥブメントには全く以って虫酸が走る程の嫌悪感が、いやこの言い方は正直優しすぎた。
率直に云うならば、最早不俱戴天の仇に等しい怒りと憎しみを覚えるのである。

あの言葉をしたり顔で語る者たちは私から見ると全くの愚か者にしか見えない。「ありのままのあなたは美しい」「男女平等」「差別撤廃」などと随分と聞こえの良いおやさしい立派な言葉を口にしながら、実際には汚物を吐き出し、蛆湧いた汚らしい手で美しいものに触れ、自分と同じように汚して貶めることしかしないからだ。
魂の醜く腐りきった曇った眼しか持てないものは、美しいものを憎み、自分と同じように汚していかねば気が済まないのであろう。

自分の愛するものの話を楽しく語りたかったのに、日頃の怒りを語ってしまった。愛は時に人に大きな怒りや憎しみを生むとは何とも使い古された言い回しだが、これは対象が人であろうと物であろうと変わりのないものらしい。

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