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2023年に欧州のPEがVCに比べ相対的に堅調だった理由

この記事は、2023年の欧州プライベート・キャピタル市場におけるVCとPEの活動の対比を通じて、投資の動向と市場の変化を明らかにしています。また、VCとPEの活動におけるディール、エグジット、資金調達の違いや影響要因に焦点を当て、金融政策や企業の成長戦略の変化が市場に与える影響を解説しています。この記事から市場動向を理解し、投資判断や戦略の立案に役立つ情報を得られるでしょう。


2023年の欧州プライベート・キャピタル市場では、VCの活動がディール、エグジット、資金調達のいずれにおいてもPEより大きく落ち込みましたが、PEはアセットクラスとしてより底堅く推移した。

VCのディール額は前年比46%減であったのに対し、PEは27%減にとどまった。VCのイグジット額は前年比71%減であったのに対し、PEはほぼ横ばいであった。

資金調達は最も驚くべきデータポイントであり、PEは1,200億ユーロというほぼ記録的な資金調達を達成した一方、VCは前年比39%減の170億ユーロにとどまった。

なぜこのようなことが起こったのかを理解する鍵は、両資産クラスに影響を与える外生要因を理解することにある。欧州中央銀行は2023年にかけて金利を実質的に倍増させ、スポンサーと投資先企業の借入コストを引き上げた。

その結果、ディールメイキングからエグジットのためのM&A、そして資金調達に至るまで、利用可能な資金が減少した。また、ディスカウント・ファクターが上昇したため、企業のバリュエーションも低下した。例えば、PEのEV/EBITDAの中央値は2022年の12.3倍から2023年には10.2倍となり、2013年以降で最低となった。

VCのエコシステムにおける新興企業は、あらゆるコストをかけて成長することから、収益性を確立する道へと移行した。一方、PEでは、レバレッジによる倍率の拡大から、むしろEBITDAとマージンの拡大に焦点を当てた明確な動きがあった。

2023年のような不確実性の高い時期には、投資家は実績のある経験豊かな経営者に集まることが見られた。VCでは、昨年調達された資本のほぼ55%が経験豊富な会社によるものであり、PEでは71%であった。

Source Link ↓

https://pitchbook.com/newsletter/why-european-pe-held-relatively-strong-in-2023-compared-to-vc

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