美大時代④
友達が教職を取りたいから体育取るんだけど
一緒に取らない?と誘ってくれた。
初めての授業の時。あ、あの人新歓で見た人だ。
色の白い男子。
先生から、男女ペアでキャッチボールしましょう、とペアを組まされる。
私はお世辞にも運動神経がいいと言えないのに、その人は私の投げるボールはすべてキャッチした。
その人は野球部出身だった。
同じサークル。帰り道も同じ。
学科は違ったけど顔を合わせる機会が増えた。
男子と話す機会なんてほぼほぼ初めて。
初めて男子の"友達"といえる存在が出来、電車の行き帰りで話したり、映画のDVDの貸し借りをするようになった。
その頃、少しずつ実家で同居していた認知症のおばあちゃんの症状が悪化していき、
家族の悩みの種になっていった。
おばあちゃんは自分でちゃんとお風呂に入れなくなった。私は入浴を介助の手伝いをするようになった。臭かったし汚かった。
周りの友達をみても、介護しているという友達というのは1人もいなくて私は少しずつ精神的に追いつめられていた。
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