大分には「トキワデパート」という大分だけしかないデパートがあります。
大分駅前の中央通り沿いにあります。
1936年より営業している古い地場デパートです。
小さい頃は、デパートに住むのが夢でした。
寝るのはいいベッドがあり、ご飯も美味しい物があり、なんでも並んでいるデパートの子になりたいと思っていました。

そんな、「トキワデパート」の食堂で、お子様ランチを食べるのが、最も贅沢でした。
と言っても、こういう経験をした方はとても多いと思います。
しかし、現在まだ「ファミリーレストラン」として営業しています。
全国でも珍しいのではないでしょうか⁈
今また流行り出した、昭和レトロを感じさせるレストランです。


大分の「トキワデパート」は昔から県民に馴染みのあるデパートです。
包装紙に、ひまわりを使っていて、大分帰りの人がトキワの紙袋を持っているのをよく見ます。

スタイリストの仕事をしていた時、一番仕事が多かったのは「トキワ」でした。
CM、友の会のDM、イベントポスターなどの撮影でした。

CMは、制作会社が請け負うので、制作会社の建物のスタジオでの撮影が主でしたが、
友の会のDM撮影は、デパートの地下の駐車場の脇にある小さなスタジオでの撮影でした。
そこに、その回のDM用の商品が運び込まれていて、専属カメラマンが撮影しているのです。

私に話が来るまでは、カメラマンが一人で、全部していたらしいのですが、スタイリストの仕事は案外あり、例えば、売りだす商品がお漬物だったりすると、そのお漬物が映える器を、デパートの売り場に行って探して来なければなりません。
DMに載せる商品に属している物は全て、「トキワデパート」で賄えるように見せるためです。
ですから、８階建のデパートの中を行ったり来たりと案外大変なのです。（走ってはいけないのですが、走り回っていました）

たまに、モデルを呼んでの撮影もあります。
売り出し商品が、上下揃っていれば良いのですが、無い場合商品に合うコーディネイトを考え、売り場から調達しなければなりません。
一番は、各テナントが持ってきた商品の管理が大変なんです。
私の仕事はあくまで、スムーズにカメラマンが撮影できるように手助けする事でしたから。

そんなこんなで、縁が深かった「トキワデパート」ですが、引退した後も、実家に帰ったら「トキワデパート」に出掛けて行き、買い物をしたり、食事をしたり、お土産を買ったりと未だ、縁のある場所です。

今は、実家近くに「トキワ」のショッピングモールが2000年に出来ていて、もっぱらそこを利用しています。

大分人にとって、無くてはならない「デパート」だと思っています。