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一般選抜こそ穴場を狙ってでも旧帝・早慶に挑戦してほしい理由

はじめに

大学入学共通テストが終了し、いよいよ一般選抜一色になってまいりました。
目指している大学や学びたい学問領域がある方は是非とも志望大学のために受験を頑張ってください。

今回は、できる限り上位の大学に行きたい基礎学力のある受験生への指南です。

学部・学科にこだわりがなく一般選抜で合格を掴みたい受験生は序列の高い大学を虎視眈々と狙っていきましょう。
それこそ最難関と言われる旧帝・早慶レベルでも穴場は存在します。

まずは導入として、2023年度入試で話題になった「大阪大学外国語学部インドネシア語専攻倍率1.0倍志願者全員合格」の事例を思い出しましょう。

穴場学部-旧帝編-

旧帝穴場の権化
大阪大学外国語学部

もちろん超絶簡単ではありませんが、25の専攻語それぞれで募集をかけていることもあり、出願ガチャ次第では2023年度のインドネシア語専攻のように志願者10名全員合格という確変が起こるわけです。

大きく注目されたことでインドネシア語専攻の倍率が上がりそうですが、その他のマイナー言語の倍率は相対的に下がることも容易に予想できます(2024年度はフィリピン語、タイ語、ヒンディー語あたりを予想)。

私個人の指導経験上、マイナー言語は逆転合格の坩堝と感じているため、否が応でも旧帝に入りたい人は挑戦するべきと考えています。

配点&2次試験科目について

共通テスト:二次試験=150:500
※2025年度からは235:500になります。

共通テストを多少しくじっても点数が圧縮されるためまだ挽回できます。

また、2次試験の科目は以下のとおり。
英語:300[リスニングあり]
国語:100
世界史or文系数学:100

3科目構成で英語への加重配点と数学を回避できることが特徴です。
余談ですが、旧帝文系の2次試験で数学を回避できることはレアケースです(他は北海道大学文学部と大阪大学文学部のみ)。

真骨頂は合格最低点にある

マイナー言語は合格最低点が例年390/650(得点率60%)未満です。
そのため、どのマイナー言語に出願するかを決める時点から既に勝負が始まっているといっても過言ではありません。

加えて、オマケも紹介しておきます。
2023年度のインドネシア語専攻の合格最低点は197.01/650で得点率はなんと驚異の30.3%です。

異例中の異例ですが、この点数で旧帝合格はお買い得すぎて目が眩みます。
こんなことが現実に起きるから一般選抜は面白いのです。
学歴厨に「阪大外語は大阪外国語大学だから〜云々」と嘲笑されようが何のその。
合格してしまえばこっちのものです。

2023年度大阪大学外国語学部/結果一覧
(大阪大学公式HPより引用)

旧帝のその他穴場

・北海道大学水産学部(キャンパスが函館市)
・九州大学芸術工学部(旧九州芸術工科大学)
・東大以外の旧帝医学部保健学科(進学が就職)


大阪大学外国語学部ほどではないですが、立地や専門性の観点から、やはり倍率や合格最低点が他の学部に比べると低い傾向にあります。
こちらも積極果敢に挑戦しましょう。

穴場学部-早慶編-

次は、早慶に話を移します。
早慶の各穴場ですが、
慶應義塾大学看護医療学部
早稲田大学スポーツ科学部
が挙げられます。

慶應義塾大学看護医療学部は旧帝医学部保健学科と同様に、進学自体が就職先をほぼ決定づけることを意味するため人を選びます。
また、1次の学力試験を通過しても2次に面接試験が課されるので学力だけでは測られないことも特徴です。

早稲田大学スポーツ科学部はスポーツに興味・関心が無い受験生はまず選びません。
また、キャンパスも埼玉県所沢市にあるため、本部の早稲田キャンパス(東京都新宿区)と比べると立地の悪さから忌避されています。

もちろんですが、早慶にどうしても入りたいなら狙うべきです。

試験科目について

まず、慶應看護は英語・小論文・面接必須で数学・化学・生物から1科目選択のため、数学を避けて受験できます。

慶應義塾大学看護医療学部/入試科目
(旺文社パスナビより引用)

そして、早稲田スポ科は共通テスト英語必須、国語・数学から1科目選択、個別入試で小論文(2025年度から総合問題)とこちらも数学を避けて受験できます。

早稲田大学スポーツ科学部/入試科目
(旺文社パスナビより引用)

どちらも特殊な学問領域&受験形式、数学を回避して受験できることから、個人的には穴場として認識しています。

とはいっても…

旧帝・早慶の穴場を主観的に紹介しました。
ここまでで皆さんも薄々感じていたと思いますが、穴場学部は専門性がかなりニッチです。

そのため、入学後の勉強はかなり大変です。
ましてや興味・関心が1ミリも無いのに合格し進学したら地獄が待っているかもしれません。

それでもなお、目標として旧帝・早慶を狙う意志は持ってほしいことと、穴場学部であれば学力以外の要素で合格を掴める機運が高まることを知っておいてほしいのです。

今回の本旨

正直なところ、昨今の一般選抜事情を汲むと、旧帝・早慶を目指して勉強しておけば、国公立大学なら2次募集までに、私立大学なら後期入試までにある程度の大学には合格できているということを伝えたいのが本旨です。

入試問題が相変わらず難しく穴場がないのは、
・東京大学(文理4教科5科目最重量入試)
・東京工業大学(難問&良問揃い)
・一橋大学(文系数学の頂点)
これら3校くらいです。
“西の王者”こと京都大学でさえ、近年は数学が易化し過ぎてこちらが不安になるくらいです。

基礎学力のある受験生に提言しておきたいこととして、情報を仕入れ精査し、要領よく勉強して無駄を省き、戦略を立てて自身に有利な立場で受験をすることで偏差値以上の上位大学へ逆転合格を果たせるということです。

オススメとして基本は上位大学(特に穴場)を狙い、必要な科目だけを勉強して、2月は強気に挑む。合格したら万々歳、ダメなら潔く3月入試にシフトするだけです。

国公立大学の攻め方

共通テスト5教科6or7科目ありますが、配点を確認し科目間に優先順位を必ずつけましょう。

特に共通テストの科目で苦手なものがある場合に、これ以上伸びる見込みが無く2次試験で使わないのであれば捨てるのも戦略です(たとえ捨てても0点ということは無いはず)。

2次試験の配点が高い旧帝ならば尚更この戦略は活きますし、共通テストの対策は1ヶ月くらいでもう充分です。
むしろ2次試験の科目に注力し、記述式にとことん慣れておきましょう。

万が一に前期不合格となったら切り替えです。
公立中期・後期とまだまだ入試は続きます。
最後の砦には2次募集も残されています。
博打的要素はあるものの、掘り出し物の国立大学が近年追加募集をかけるので、奥の手として活用しましょう。

私立大学の攻め方

早慶の穴場は紹介しましたが、MARCHレベルになると穴場の数はさらに増えます(この項目はまた別の機会に)。
多くても3科目、絞れば2科目受験が可能です。
高得点勝負になりますが、マークセンス方式は演習あるのみです。

なお、早慶・MARCHは2月で全日程終了することを念頭に入れておいてください。
ただし、偏差値50以上で3月に後期入試を実施する大学は依然としてあります。

[首都圏]
・國學院大学
・東京電機大学
・東京都市大学
・工学院大学
・獨協大学
・日東駒専

[関西圏]
・立命館大学
・産近甲龍

後期入試となると2科目(1科目もアリ)で受験可能な学部・学科も数多くあるため要チェックです。
実際に指導していた生徒で、2月に日東駒専全敗だったにもかかわらず、3月國學院大学に合格した事例を見ています。
受験は最後まで何が起きるか分かりません。

一般選抜で大学受験をする以上は
目ざとく穴場を見つけて狙い、
ずる賢く科目を絞って勉強して、
しつこく上位大学を受験する。


凡人こそ学力を伸ばしつつ、情報・要領・戦略でさらに上へと突き抜けましょう。

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