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赤染衛門が百人一首に残した作品は、、、

赤染衛門が百人一首に残した作品は、、、

♪ やすらはで
  寝なましものを
  小夜更けて
  かたぶくまでの
  月を見しかな

です。
読みは、
♪ やすらわで
  ねなましものを
  さよふけて
  かたぶくまでの
  つきをみしかな

となります。

この歌は、赤染衛門の妹の交際相手だった藤原道隆(※1)が、
妹のもとを訪れなかったために詠んだ歌です。
ちなみに藤原道隆は、54番でご紹介した儀同三司母の夫です。


☆意味

やすらはで
    (ためらわずに)
寝なましものを
   (寝てしまおうものを)
小夜更けて  (夜が更けて)
かたぶくまでの
  (西の山に傾くまでの)
月を見しかな
 (月を見てしまいました)

☆文法解説


1句:《で》接続助詞


2句:反実仮想の助動詞「まし」


5句:「かな」:終助詞


☆鑑賞

・・・あなたがおいでになるとおっしゃったので、
・・・今か今かとお待ちしているうちに夜が更けて、
・・・とうとう月が西の山へ傾くまで、ながめて起きていたのよ
・・・こんなことなら、さっさと寝ちゃえばよかったわ

この歌を読んで、21番の素性法師を思い出しました。
素性法師(※2)の作品は、
♪ 今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな
です。

・・・すぐに来るとおしゃったじゃありませんか?
・・・だから待っていたのに、あなたは来て下さらなかった
・・・9月の夜明けの月が出るまで待っていたのよ

いずれにしても「会いに行く」との約束を破った男性は酷いですね。

★脚注

※1 藤原道隆
   大河ドラマ「光る君」に登場。
   藤原道長の兄


※2 素性法師


   


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【赤染衛門】


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