お題

#古典がすき

古典がすきだと感じたエピソード、学習の記録、勉強法など、古典にまつわる投稿を募集します!

急上昇の記事一覧

【企画参加】 ワナの色はうつりにけりな 〜 #色のある風景

 ツバメの背をなぞったような花弁を見せる燕子花(カキツバタ)がしっとり湿った夕の刻。移ろいやすく露草色に翳ったひっそり静かな部屋の、若草思わす畳に投げ出された君のつま先。  恥ずかしそうな藤色がかった薄衣の裾を僅かに持ち上げ、ふるっとした桜の如きふくらはぎから弾力のある太腿ヘ手を滑らせればそれはまるで撫子か。そこをゆっくり開いて覗き込み着いた浄土のその先は、ふと目を閉じさえすれば一面に広がる紅梅の園。おぉなんと、春はここにも来たりて誘惑せり。  老舗の菓子処の甘さを舌に乗せて

スキ
34

『孫子の兵法』ポイント解説⑮総集編

この記事をご覧くださり、誠にありがとうございます! 私の記事では14回に渡り、『孫子の兵法』のポイント解説をしてきました。 『孫子の兵法』は、現代のビジネスにも生かせる古典として、「ビジネスパーソン必読の書」と言われています。 『孫子の兵法』の存在を知ってはいたけど、実際には読んだことがない。 読んだことがあるけど、ちょっと難しかった。あまり頭に残らなかった。 そんなことにとっても分かりやすいポイント解説を心がけてきました。 今回は、その総集編に当たります。 『

スキ
53
有料
0〜
割引あり

人はなぜ不正をするのか。止めることはできないのか。その4―「韓非子」の人間不信

なぜ人は不正をしてしまうのか。 それは、もって生まれた性質と、どう関係しているのか。 企業において、弱い立場にある社員が、組織的な圧力に屈して、自らの良心に反して、不正に加担してしまう。それを防ぐには、どうすればいいのか。   古代中国の人間観、思想をおさらいすることで、組織において立場の弱い人が不正に加担してしまう理由を探るシリーズ。第4回。 「性悪説」を発展させた『韓非子』「法家」の思想  荀子の唱えた「性悪説」がどういうものか。  このシリーズの第3回で紹介しまし

スキ
16

人はなぜ不正をするのか。止めることはできないのか。その5―「徳治」と「法治」を融合させる

古代中国の主な思想家の人間観 まとめ なぜ人は不正をしてしまうのか。 それは、もって生まれた性質と、どう関係しているのか。 企業において、弱い立場にある社員が、組織的な圧力に屈して、自らの良心に反して、不正に加担してしまう。それを防ぐには、どうすればいいのか。   古代中国の人間観、思想をおさらいすることで、組織において立場の弱い人が不正に加担してしまう理由を探るシリーズ。最終回。 孔子の「仁(徳)」。 孟子の「性善説」。 荀子の「性悪説」。 韓非子の「人間不信」。 4

スキ
11

【漫画】『枕草子』ってどんな話? ー 辛い事実を隠して明るく! 長徳の変と藤原斉信出世の秘密 ー

千年前に清少納言によって書かれた随筆『枕草子』。その内容を聞かれたとき、悲劇的なことが描かれていると答える人はいないでしょう。読んだことのある方もない方も『枕草子』に対し明るく雅なイメージを抱いているのでははないでしょうか。 実際その通りで、『枕草子』には基本的に暗いことは書かれておりません。 清少納言の描く後宮はいつも明るい笑いと華やかさであふれており、主人である藤原定子が一条天皇と仲睦まじく微笑む姿が印象的です。 世の無常や生きることの難しさなどを「あはれ」の感覚で描い

スキ
23

グッド!or バッド!タイミング~てあるよね~。。。

またまた「中国古典名言辞典」より。 只今、「文章軌範」のところ。 それができればやってるわ!笑 できんから苦労するー。 凡人にはムリじゃなーい? こんなの意識的にできる類のものなのかしらn? どーしろと……。 出来るなら何事もグッドタイミングでやっていきたいよ。 てゆーか、 その時々で良し悪し 変わるよねー。 あの時の失敗のおかげで今がある的な。 失敗あっての成功だろーし。 とはいえ、 「時を得た」いもんよね! ★\(^^)/☆(よろしければ、スキ!&フォ

スキ
112

令和源氏物語 宇治の恋華 第百三十八話

 第百三十八話 浮舟(二) あの人を喪って幾度の秋を過ごしたことだろう。 大君を偲ぶ長く険しい宇治への道行きが黄泉路であるように思われて、この時ばかりはいつでも神妙な心持ちに立ち返る薫なのです。 そして大君を想う度に甦るかの女の面影を宿した美しい姫君にときめきを覚えるのはやはり亡き人への執着ゆえか。 そうかといって即座に姫君を手に入れることはできません。 皇女を妻に持つ薫が受領風情の姫に言い寄っているということが露見すれば姫宮のご身分に疵がつくことでしょう。 自ら望ん

スキ
9

人の見分け方で失敗しないために。天才軍師・諸葛孔明の人物鑑定法―『諸葛亮集』

人を見分けるよりもむずかしいことはない  三国志の時代に活躍し、天才軍師と謳われた諸葛孔明も、人の見分け方ほどむずしいことはない、と嘆いていたそうです。その教訓として、7つのポンントを『諸葛亮(しょかつりょう集』で挙げています。諸葛亮とは諸葛孔明のことです。   彼が遺した、人の見分け方をみていきましょう。  なにがむずかしいといって、人を見分けるよりもむずかしいことはない。  善人がかならずしも善人らしい容貌をしているとはかぎらない。  悪人がかならずしも悪人ら

スキ
26

アナログ派の愉しみ/本◎『万載狂歌集』

「やハらかなけしきをそゝと」―― のどかな光景が生々しく反転する真骨頂 日本の栄えある詩歌の伝統において、その底辺に位置するのが狂歌と言っていいだろう。と、こんなふうに書くと狂歌を見下しているように受け取られかねないけれど、とんでもない、わたしは平安貴族の洗練をきわめた和歌よりも、むしろ美なんぞ目もくれず、俗世間の神羅万象を笑い飛ばした歌たちのほうにずっと親しみが湧く。 そうした高尚ならぬ哄笑の文芸は太古の昔からあったはずだが、動乱の中世に文学史の舞台に登場し、やがて

スキ
19

【文楽と雑記】増補大江山など

 2024年4月27日(土)、28日(月)に、国立文楽劇場@大阪に、令和6年4月文楽公演を観に行きました。私は関東に住んでいて、基本的に遠出はしないのですが、文楽に限って大阪に行くことがあります。  以下、記録を残します。 ■公演概要 4月公演は、29日(月・祝)が千穐楽で、公演も終盤のため、簡単に記載します。 第1部(午前11時〜):絵本太功記 第2部(午後2時30分〜):団子売、襲名披露口上、和田合戦女舞鶴、釣女 第3部(午後6時15分〜):御所桜堀川夜討、増補大

スキ
19

📖#21 ヤバすぎて禁書扱い!?薄幸美女の宮廷暴露本『とはずがたり』

▼前回はコチラ ▼最初から読みたい方はコチラ 【前回までのあらすじ】二条ちゃんを全然守ってくれなかったくせに「旅先で男といい感じになってるんだろう」とか、自分がこれまでした仕打ちを棚にあげて、しつこく嫉妬する御所さま。二条ちゃんが切々と本音を語ったおかげで、ようやく御所さまに想いが通じたのだった。 第5巻は、第4巻から10年後のお話。 二条ちゃんは45歳になっていましたが、相変わらず、あちこちを旅しています。 今度は西に進んで、広島県の厳島神社や高知県の足摺岬まで行きま

スキ
4

『孫子の兵法』に学ぶX戦略⑤

この記事をご覧くださり、誠にありがとうございます♪ 私の記事では数回に渡り、『孫子の兵法』のポイント解説をしております! 今回は、「『孫子の兵法』をX戦略に生かしたらどうなるか?」のオリジナル記事第5弾となります🌟 『孫子の兵法』とは何か?について特集した導入記事(無料)はこちらです。(過去記事のポイント解説はマガジン購入がお得です♪) まだご覧になっていない方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってみてくださいね! 『孫子の兵法』は、現代のビジネスにも生かせる古

スキ
57
有料
100

【徒然草 現代語訳】第百五段

神奈川県大磯の仏像専門店、仏光です。思い立ってはじめた徒然草の現代語訳、週一度程度で更新予定です。全244段の長旅となりますが、お好きなところからお楽しみいただければ幸いです。 原文北の屋かげに消え残りたる雪のいたうこほりたるに、さしよせたる車のながえも、霜いたくきらめきて、有明の月さやかなれども、くまなくはあらぬに、人はなれなる御堂の廊に、なみなみにはあらずと見ゆる男、女となげしにしりかけて、物がたりするさまこそ、何事にかあらむ、尽きすまじけれ。 かぶし、かたちなどいとよ

スキ
2

「切磋琢磨」。スキルや知識だけなく、「心を磨く」ことに真意あり―『論語』

「継続は力なり」につながる言葉  新人が職場に配属されるこの時期に、「継続は力なり」ということをスタッフに訴えたい。それにふさわしい『論語』の言葉を、研修でとりあげてもらえませんか。  企業のオーナーからのそんなリクエストに応じて、候補の言葉をいくつか挙げたところ、オーナーが選んできたのは、「切磋琢磨(せっさたくま)」でした。  現在では、互いに競い合って、技能やスキルなど高める意味で使われていますが、もともとは、学問や道徳、技芸などを磨き上げる「自己研鑽」を意味していま

スキ
37

令和源氏物語 宇治の恋華 第五章/会うは別れ 解説

みなさん、こんにちは。 次回、『令和源氏物語 宇治の恋華 第百三十七話 浮舟(一)』は、4月30日(火)に掲載させていただきます。 本日は第五章「会うは別れ」の章について解説させていただきます。  匂宮の初瀬参り 宇治八の宮にお仕えしている老女房の弁のおもとからもたらされた真の父の真実は、薫をさらなる苦悩に落とし込みました。 そして道ならぬ恋の末に誕生した己を厭わしく、呪わしく感じるのです。 ただでさえ多忙である上に、大君への想いを断ち切りたいと、なかなか宇治へ赴くことが

スキ
9

【貧しい家で育ったとしても、知恵や道徳を学べば、泥の中に咲く蓮のように生き生きとする】 お金がないなりにがむしゃらに努力して、自分の努力は間違っているのかなと、自分を疑うことはあると思います。でも、振り返れば一時の時間浪費が、長い目で見た時の糧になっていたりするんですよね。

スキ
8

令和源氏物語 宇治の恋華 第六章/空(くう) 解説

みなさん、こんにちは。 『令和源氏物語 宇治の恋華 第百三七話 浮舟(一)』は4月30日(火)に掲載させていただきます。 本日は第六章『空(くう)』の章を解説させていただきます。 一話としましたが、仏教の教えに関わる部分が多かったので、とても苦労した章です。私は仏教徒ではないですから、(家は浄土真宗ですが)専門用語などを出そうものならば自ら首を絞めるような暴挙となってしまうわけです。 本当に苦労しました・・・。 というところで、読んでいただければ幸いです。 こちら↓  山

スキ
12

アラサーからの学び直し【古文への情熱】

ときどき私に起こる発作の一つ、「やっぱりちゃんと古文を読めるようになりたい」という気持ちの湧き起こりが、この頃とても強いです。 というわけで、実は最近ちょっと勉強頑張ってますねん(だからnoteの更新が落ちてますねん)、という話をば。 発作の原因は私の学生時代にあります。 当時、私は江戸時代を対象に研究していました。が、その実あまり古文が得意ではありません。とはいえ、卒論はともかく修論を書くにあたっては、一次文献(現代語訳ではなく、本人が書いたままの文章)を読まないという

スキ
21

アナログ派の愉しみ/本◎嘉村礒多 著『崖の下』

「私小説」とは ひとつの詩の形式ではないか 大正から昭和の戦前・戦後を通じて、文学史上のいちばんのキイワードは「私小説」だった。それが平成を経て、令和の時代を迎えたいま、ほとんど死語に等しい印象があるのはどうしたわけだろう。ありのままの自己をさらけだす方法論が説得力を失ったのか、それとも、だれもかれも自己をさらけだすのが当たり前になって、ことさら「私小説」を標榜する必要がなくなったのだろうか。 その事情はともかく、わたしは「私小説」といわれると、条件反射的に嘉村礒多(

スキ
26

頼山陽が見た「花の雨」(2)

【スキ御礼】 歳時記を旅する13〔桜〕後*上千本中の千本花の雨 西行が見た「花の雨」 秀吉が見た「花の雨」 芭蕉が見た「花の雨」 本居宣長が見た「花の雨」 頼山陽が見た「花の雨」(1) 前回母を連れて吉野を訪れて花に出逢えなかった頼山陽は、その8年後の文政十年(1827年)三月十八日、再び母を連れて吉野を訪れる。 今回は花に遅れてはならじと雨をついて出発し、二十日に吉野に着くと雨はようやく上がり、翌二十一日は晴れて満開の桜に会うことがことができた。 前回の八年前より十五

スキ
148