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文屋康秀が百人一首に残した作品は?

文屋康秀が百人一首に残した作品は?

♪ 吹くからに 秋の草木の
  しをるれば
 むべ山風を あらしといふらむ

です。

読みは、、、

♪ ふくからに あきのくさきの
  しおるれば
  むべやまかぜを あらしというらん

となります。

意味は、

吹くからに (山の風が吹き降ろしてくると、すぐに)
秋の草木の (秋の草木が)
しをるれば (しおれてしまう)
むべ山風を (なるほど、山風を)
嵐といふらむ(嵐というのだな)

「吹くからに」の「から」は、「~するとすぐに」という意味です。

「吹くからに」は「吹くとすぐに」という意味になります。

「むべ」は、「なるほど」という感動を表しています。

「嵐」は「荒らし」の意味もあって、
《秋の草木を荒らす》
という掛詞(かけことば)になっています。
次の記事の16.


「らむ」は、推量の助動詞で「~だろう」という意味です。

「嵐といふらむ」で、「嵐と言うのだろう」となります。 


そして、これが上手いところなのですが、「山」に「風」と書いて「嵐」という字になることで、ある種の遊び心を表しています。

平安時代には、漢字を分解したり組み立てたりして、遊ぶことが流行したそうです。※

草木を枯らす厳しい山風が吹いてくる、という情景を詠いながらも、

漢字遊びをしていることで、どこかほっとする感じがしました。

※ 平安時代の漢字遊び「偏つぎ(へんつぎ)」


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【文屋康秀】


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