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古典文法/接続助詞/「つつ」

古典文法/接続助詞/「つつ」

『動作の反復・継続』の接続助詞です。
動詞および動詞型活用の助動詞の連用形に付きます。

百人一首には、七首。

・百人一首1番:天智天皇
 秋の田の
 仮庵の庵の
 苫を粗み
 我が衣手は
 露に濡れつつ

ラ行下二段活用《濡る》の
連用形《濡れ》+《つつ》。
濡れることが、継続している。
現代語訳は、
〈濡れている〉

・百人一首4番:山部赤人
 田子の浦に
 うち出でてみれば
 白妙の
 富士の高嶺に
 雪は降りつつ

ラ行四段活用《降る》の
連用形《降り》+《つつ》。
降ることが、継続している。
現代語訳は、
〈降り続いている〉

・百人一首15番:光孝天皇
 君がため
 春の野に出でて
 若菜摘む
 我が衣手に
 雪は降りつつ

ラ行四段活用《降る》の
連用形《降り》+《つつ》。
降ることが、継続している。
現代語訳は、
〈降り続いている〉

百人一首42番:清原元輔
 契りきな
 かたみに袖を
 しぼりつつ
 末の松山
 浪越さじとは

ラ行四段活用《しぼる》の
連用形《しぼり》+《つつ》。
降ることが、継続・反復している。
現代語訳は、
〈泣いてはしぼり、泣いてはしぼり〉

・百人一首49番:大中臣能宜朝臣
 みかき守
 衛士のたく火の
 夜はもえ
 昼は消えつつ
 ものをこそ思へ

ヤ行下二段活用《消ゆ》の
連用形《消え》+《つつ》。
降ることが、反復している。
現代語訳は、
〈燃えては消え、燃えては消え〉


・百人一首53番:右大将道綱母
 なげきつつ
 ひとり寝る夜の
 明くる間は
 いかに久しき
 ものとかは知る

カ行四段活用《嘆く》の
連用形《嘆き》+《つつ》。
嘆くことが、継続・反復している。
現代語訳は、
〈嘆いて嘆いて〉

・百人一首97番:権中納言定家
 来ぬ人を
 まつ帆の浦の
 夕なぎに
 焼くや藻塩の
 身もこがれつつ

ラ行下二段活用《こがる》の
連用形《こがれ》+《つつ》。
こがれることが、継続・反復している。
現代語訳は、
〈こがれてこがれて〉



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