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☆持統天皇の作品は?

☆持統天皇の作品は?

百人一首には、持統天皇をはじめ、女性の作品が21首収められています。

─── 目 次 ───
☆作品
☆意味
☆掛詞・枕詞・歌枕
☆文法解説
☆鑑賞
☆出典
───────────

☆作品

♪ 春すぎて
  夏来にけらし
  白妙の
  衣ほすてふ
  天の香具山

です。

読み仮名は、

♪ はるすぎて
  なつきにけらし
  しろた
  ころもほすちょう
  あまのかぐやま

となります。
太字2箇所が、旧仮名遣いです。

「てふ」と書いて、「ちょう」と読みます。
「・・・と言う」という意味です。


☆意味

春すぎて   (春が過ぎて)
夏来にけらし
    (夏が来たようです)
白妙の    (白い夏の衣が干してあるのが見えます)
衣ほすてふ  (昔から、衣を干す習慣があるという)
天の香具山
  (神様が宿る、香具山に)


☆掛詞・枕詞・歌枕
3句:白栲の
   白妙の(しろたへの)
   雪・雲・波などにかかる枕詞

5句:香久山
   歌枕です。
   下記記事の【2】




☆鑑賞

初夏の風景を詠んだ作品です。

当時の日本の首都は、奈良盆地にある「藤原京」でした。
そばには、香具山という山があります。

ある日、持統天皇が景色を見ていたら、
香具山に白く点々と見えるものがあって、
そばに居る人に尋ねたら、香具山は神様が宿ると信仰されている山で、
神事に仕える巫女さんたちが夏の衣を干している、とのことでした。


☆文法解説

2句:
 「に」完了の助動詞「ぬ」
 「け」過去の助動詞「けり」
 「らし」推量の助動詞

☆出典

この作品は、百人一首を取り纏めた藤原定家(ふじわらさだいえ)が
「新古今集」から、取り上げた作品ですが、
(新古今和歌集:夏175)
元の作品が「万葉集」にあって、その作品は、

♪ 春すぎて
  夏来るらし
  白栲の
  衣乾したり
  天の香具山

です。
(https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1983744716&owner_id=37979390)

読み仮名は、

♪ はるすぎて
  なつきたるらし
  しろた
  ころもほしたり
  あめのかぐやま

となります。

新古今集は鎌倉時代初期の短歌集ですから、
持統天皇自身が読み替えたものではないようです。

★新古今和歌集




   


☆超訳マンガ

☆短歌解説・系図・治世・外交・香久山動画


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