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『廓に噺せば』桂歌蔵

昭和十六年の横浜。五歳の少年・檜垣壽雄は、色街・真金町の廓『永代楼』の一人息子だった。壽雄は、廓を切り盛りする祖母いねに可愛がられ、何不自由なく暮らしていた。しかし、母のきくが突然家出し、その寂しさから、壽雄は落語や漫才などのSP盤を聞くようになり、笑いに目覚めていく──。

光文社ホームページより
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334912871

<出版された年>

2019年

<出版されるよりちょっと前に起きた出来事>

2018年7月 落語家の桂歌丸が死去

<物語の舞台である「永代楼」について>

横浜の色街だった真金町(まがねちょう)の一角に檜垣徳三郎&いねが開業した遊郭。
江戸時代の廓をほうふつとさせる純和風づくりで間口が7,8間もある大きな建物。2階建て。
女郎を十数人も抱えるほどの人気店。

<主な登場人物>

檜垣壽雄(ひさお) 主人公

モデルは桂歌丸。
昭和11年(1936年)生まれ。
2歳で父を亡くし、5歳で母が檜垣家から去る。
永代楼の1階に1部屋もらって居住。

檜垣いね

壽雄の祖母。遊郭「永代楼」を経営。
真金町界隈で評判の女傑。
横幅があるどっしりとした体格。普段はいつも険しい顔をしている。
任侠団体の親分と渡り合ってもひけをとらない貫禄がある。

檜垣徳三郎

壽雄の祖父。いねの夫。
もともと東京の吉原で引手茶屋や周旋業を営んでいたが、関東大震災(1923年)で店を失い、妻・息子と共に復興が早かった横浜に越してきた。
店を構えて2年後、脳溢血により突然死。

檜垣徳雄(のりお)

壽雄の父。いねと徳三郎の間に生まれた一人息子。
32歳で結核により死去。

檜垣きく

壽雄の母。徳三郎の嫁。
千葉の農家の娘。
嫁姑の確執から檜垣家を出る。

達治(たつじ)

番頭。50歳を超えたばかり。
離婚歴あり。今の若い妻との間に3歳になる娘がいる。
壽雄の父親代わり。



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