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ダルビッシュが怒るのも当然。メディアは選手のSNS活用を見直すべきだ。

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

新年早々、氏原が怒っているようなタイトルですが、そうではなく、音声配信をやりまくってきた人間だからこそ、ちょっと言いたくなったので、少し聞いてください。

2023年の暮れ、パドレスのダルビッシュ有選手のスタエフLiveが記事になりました。どんなLiveをしたかというと、いつものダルビッシュ選手らしくリスナーのコメントに反応しながら本音を語るというもの。

その中で、日本でちょっとした騒ぎになったロッテ佐々木朗希選手のポスティングについて「佐々木くんの心が心配」としたダルビッシュ選手は「署名運動をしよう」という発言に至ったわけです。

ダルビッシュ選手のスタエフは僕は好きで時間がある時は聞くようにしています。僕の方がスタエフの先輩であることはさておいて(笑)、音声アプリについて、僕は思うことがあります。

最近、菊池雄星選手もスタエフを始めたのですが、選手の音声アプリって、本音が聞けるんですよね。菊池選手はトレーニングのことや日常のこととかを話していて、「こんなことを考えていたんだ」と知ることができて非常に楽しいです。

ダルビッシュ選手は完全にLiveでやるスタンスですが、Liveの場合、ファンのコメントに答える形で展開するので、思わず、いろんなことを喋ってしまいます。このリアル感が面白いのですが、選手が本音を語るって貴重なシーンなんですよね。

これはYouTubeでも同じことが言えるのですが、こうしたトップアスリートの発信を聞いたメディアがそれらをどう使うかといったら、彼らの本音から伝わってくる真実の話ではなく、あるワードを使用したPV稼ぎになる。

僕ら取材している人間は本音を聞きたいわけですよ。そこで、聞けたものから、大事なことを伝えていく。本来は取材でそれをしなくてはいけないんだけれども、アスリートの発信方法が多様化してきている中で、音声メディアなどの配信も一つ有効活用すべきだと思うんですよね。

この前、菊池雄星選手のリモートインタビューをさせてもらったんですが、その際に、スタエフの収録は大いに役に立ちました。「あの時、こんな話をしていたけど真意はどうなの?」というような。すると話はさらに展開していくんですよね。

彼らはやはりSNSでは本音を語ってくれているので、これを上手く活用することは真実を伝えるメディアの役割を全うするには、非常に重要なものであると思うんです。

正直、僕はこの日のダルビッシュ選手のLiveにはものすごく感動しました。
感動したのは佐々木選手のことを話した部分ではありません。大谷翔平選手、山本由伸選手のドジャース入りに関しての心情を話した部分です。

ダルビッシュ選手は彼らのドジャース入りに関して「悲しい」と表現した上で「日本人で集まってドジャースを倒したかった」と話していました。

そんなことを考えてたんだ!って話ですよね。めちゃくちゃ夢のような話だし、ライバルチームにいるダルビッシュ選手の深い想いが伝わってきて、すごい発想だなって感動しました。

昔、解説の武田一浩さんを取材した時に、「日本人選手がみんな同じチームに入って、先発を田中将大選手やダルビッシュくんがやって、田澤くんや上原くんが後ろで抑えてってやってほしいですよね」という話をしていたことがありました。

そんなの夢だって思っていましたけど、ダルビッシュ選手は、ライバルのドジャースを倒すために「日本人で」っていうことを考えていた。これすごい構想ですよね。

ドジャースはお金があることもそうだけど、野球のレベルもそうだし、育成も、スカウティングも、組織も、レベルが高い世界最高峰のクラブだと思います。

そこに立ち向かう日本人選手たちっていう絵は想像したこともなかったけど、すごい実現してほしい、ワクワクするような話ですよね。

こういうことですよね。記事すべきなのは。

本当、伝えるべきことって、あるよなって思った次第です。

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