【The Exposeも懲りねえなあ(=_=)】COVID-19ワクチンが米国の子供達を殺していると主張するためにデータが悪用されました。

【主張】⇦ #デマ です。

  • 米国でのCOVID-19ワクチン接種により、少なくとも125人の子供が死亡し、5万人が負傷している。

【aapの評定(要約版)】➡誤り

  • この主張を裏付けるために使用されたデータは誤用されたもので、信頼性に欠けます。

  • このワクチンが子ども達に深刻な被害を与えたり、死亡させたりした証拠はありません。

【レビュー】

FDAは、「COVID-19ワクチンの接種により125人の米国人子供が死亡し、5万人が負傷した」というソーシャルメディア上の主張を受け、生後6ヶ月の子供への接種を許可しました。

保健の専門家は、この主張は根拠がなく、虚偽であると述べています。彼らは、この主張は、ワクチンと検証されていない様々な医療上の有害反応との間の因果関係を示すことを意図していないデータを誤って使用していると言います。

このデータは、VAERSCDCのワクチン有害事象報告システム)からのもので、ワクチンと関係があるかもしれないワクチン接種後の健康問題を報告する手段として、1990年に設立されたものです。

この主張は、反ワクチンサイト《The Expose》の「許されざること - アメリカでのCOVID-19ワクチン接種により125人の子供が死亡、1千人が障害を負い、5万人が負傷した。」という見出しの記事で発表されました。

これはFacebook(=既に削除済な模様)やTwitterで広く共有されており、特にパプアニューギニアでは人口の3%程度しか完全なワクチン接種を受けていません。

この記事は、VAERSシステムによって作成されたデータ表でその主張を裏付けています。AAP FactCheckは、システムが提供するボックスに検索パラメータを入力してこれらのデータ結果を再現しましたが、The Exposeが使用した数字は、米国だけでなく、国際的な有害事象の報告を示しています。「米国だけ」を選択すると、報告数が著しく少なくなります。

しかしながら、専門家によります、この主張の最大の問題点は、VAERSシステムが、収集した報告とワクチンとの因果関係を実証していないことです。従いまして、ワクチンのせいで子供が死んだと主張するのは間違っています。

2021年8月の学術サイト《The Conversation》の記事では、反ワクチン団体がいかにデータを悪用出来るが強調されています。

「VAERSは、検証されていない副作用の自己申告に依存しているため、悪用される可能性が高いのです。ワクチンを接種した人なら誰でも報告書を提出することが出来ます。そして、この情報は一般に公開されているため、そのデータの誤った解釈は、怪しげなソーシャルメディアチャンネルやマスメディアを通じてCOVID-19の誤報を増幅するために使用されています」と著者らは書いています。

米国の保健の専門家はAAP FactCheckに、この最新の主張がそうであることを伝えています。

ミネソタ大学医学部小児科のMark Schleiss教授は、VAERSはワクチンに対する副作用を認定して報告しているわけではないと述べています。

「確かに、VAERS は有害事象の報告を受け入れ、分析しますが、それはワクチンと有害反応の因果関係を証明するためではなく、むしろ可能性のある安全性の懸念の初期の『警告信号』を検出するためです。」とSchleiss 教授は電子メールで述べています。

「反ワクチン運動は、VAERSの報告を受け、意図的に誤解を招くような分析を提供していますが、それは、公衆衛生や子供への関心によってではなく、むしろ彼らの政治的、財政的な意図によって動かされているのです。」

ペンシルバニア大学ペレルマン医学部の生物統計学、医療倫理、医療政策の名誉教授であるSusan Ellenberg氏は、AAP FactCheckに対し、「VAERSデータは、ワクチンと問題の事象の間の時間的関係のみを示している」と語ってくれました。

「VAERS への報告の殆どは、非重篤なイベント、恐らくワクチン - 発熱、注射部位の腫れ、疲労に関連している多くの記述 - これらは、ワクチンの既知の副作用がまだ VAERS に報告されることがあり、カウントされます」と、Ellenberg博士は電子メールで述べています。

Schleiss教授は、「米国でCOVID-19のワクチン接種と子供の死亡、入院、重篤な病気との間に関連性があることを知らない」と述べてくれました。

このことは、米国FDAによる6歳から17歳の小児に対するModerna社製ワクチンの有効性と安全性の検討、及び、6カ月から4歳までの小児に使用するPfizer社製COVID-19ワクチンの安全性データ、いずれもFDAのワクチン及び関連バイオ製品諮問委員会(VRBPAC)が6月17日の小児ワクチン発表前の数日間において発表したものによって裏づけられていると述べました。

「VRBPACの表(ModernaPfizerの試験)が示すように、COVIDの小児への接種による死亡はありません」とSchleiss教授は述べています。「1年前に心筋炎で安全性のシグナルがありましたが、死亡も障害もなく、完全に回復しており、これは幼児には見られません。」

Ellenberg博士は、生命を脅かす病気の子供達はCOVIDワクチンを受けていたはずで、このグループの中には基礎疾患により死亡者が出ることが予想されると述べました。

「報告書を見直すことなく(そして恐らく各症例についてより多くの情報を得ること-VAERS報告書の情報は最小限で未検証)、死亡例のいずれかがワクチンと関連していた可能性を評価することは不可能です。これこそ、CDCとFDAの科学者がやっていることです。」

AAP FactCheckは以前、こちらこちら等、VAERSデータの悪用を強調しており、VAERSデータの悪用に関する別のファクトチェックはこちらで見ることが出来ます。英国でワクチンで子供が死んだという同様の主張は、こちらで論破されました。

【詳細評定】誤り➡この主張は不正確です。

COVID-19ワクチンが米国で125人の子供を死亡させ、5万人以上を負傷させたという主張は誤りです。専門家はAAP FactCheckに、VAERSデータは副作用とワクチンとの因果関係を示すことを意図しておらず、反ワクチン活動家は自分たちの意図に合うようにデータを誤用したと述べています。

米国当局が発表したデータによると、COVID-19ワクチンによる子供の死亡や重傷症例は発生していません。

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