【あたおか発言何回目?】Moderna社製のmRNA COVID-19ワクチンには5Gと相互作用するナノテクノロジーは含まれていません。

特許が、ModernaのmRNA COVID-19ワクチンに5Gと相互作用するナノテクノロジーが含まれていることを証明しているのでしょうか?いいえ、それは違います: mRNAワクチンやその内容物が5Gテクノロジーと相互作用するという証拠はありません、と分子生物学者はLead Storiesに述べています。化学エンジニアもこれに同意し、そのような主張が真実であるという「証拠は全く存在しない」とし「mRNAワクチンには、5Gテクノロジーと何らかの形で相互作用するようなものは何もない」と述べました。

2023年7月25日にInstagram上でシェアされた動画まとめでは、mRNA技術について記述された2020年7月の本物の特許が誤って伝えられていました。この動画には、アメリカ化学会が発表した本物の論文からの誤った解釈も含まれていました。これらの項目は合わせて、mRNAワクチンが5G技術と相互作用することを証明する証拠として、偽りの描写がなされていました。

この主張のバージョンは、2023年7月25日にInstagramに投稿された動画(アーカイブはこちら)から派生したものでした。投稿のキャプションと動画のグラフィックには次のように書かれていました:

我々は正しかった。5Gはワクチン接種を受けたあなたに影響を与えるのだ。

So we were right all along, 5G is affecting you if you got the VAX, and or the the jabs | Instagram

このファクトチェックの執筆時点では、この投稿は以下のように表示されていました:

(出典:2023/07/25 火曜日 21:14:00 UTCに取得されたInstagramのスクリーンショット)

上の動画で正体不明の人物が次のように語ります:

それでは早速、Modernaのウェブサイトに掲載されている特許をご紹介しましょう。そこには、「分泌タンパク質生産のための修飾ポリヌクレオチド」と題された特許があります。これはmRNAワクチンと呼ばれるものの基本特許のひとつです。その要旨には、脂質ナノ粒子の粒径は80~160ナノメートルであり、ポリペプチドをエンコードする修飾mRNAを含むと記載されています。カチオン性脂質、中性脂質、コレステロール、ペギル化脂質が含まれています。カチオン電荷を宿す脂質と呼ばれているものです。陽性の電磁場を形成します。自然界にはそのような脂質は存在しません。彼らはナノテクノロジーの代わりに脂質という言葉を使っているのです。
特許の219項を読みますと、自己組織化ナノ粒子であり、完全にプログラム可能であることが説明されています。この用語は、いくつかの理由から憂慮すべき用語です。その一つとして、これらは事前にプログラム可能であると同時に、外部からプログラムを受け取ることが可能だということです。

So we were right all along, 5G is affecting you if you got the VAX, and or the the jabs | Instagram

Moderna 社のmRNA COVID-19 ワクチンには、5Gテクノロジーと相互作用するナノテクノロジーが含まれているとの主張は誤りであることを、Moderna社ともこの特許の開発とも関係のない2人の専門家が、Lead Stories社に独自に証言してくれています。

連邦通信委員会によりますと、2023年7月現在、5G(第5世代)は、より高いデータ伝送を実現する電気通信技術の最新バージョンです。Lead Storiesは、248ページからなるModernaの特許を検索し、5G技術との関連を示す可能性のある文言を探してみました:5G、ブロードバンド、ネットワーク、ダウンロード、電話、送信機、受信機、バッテリー、電源、アンテナ。しかしながら、そのような用語は一つも見つかりませんでした。

ワクチン技術に詳しい化学エンジニアで、ペンシルベニア州立工科大学教授であるAndrew Zydney氏は、2023年7月27日に受け取った電子メールでLead Storiesに対し、このような主張が真実であるという証拠は「全くありません」、と述べ、また、「mRNAワクチンには、5G技術と何らかの形で相互作用するはずのものは何もありません」と語っています。

Instagramの投稿が暗示するように、この特許は2023年に発表された新技術を反映したものではありません。むしろ、少なくとも2013年から開発されているmRNAワクチンに関する特許出願と技術の継続です。

Lead Storiesは、この動画で言及されている特許US 10,703,789 B2をModerna社のウェブサイトで見つけました。タイトルは「分泌タンパク質生産のための修飾ポリヌクレオチド」で、2020年7月7日に公開されました。要旨は以下の通り:

平均粒径が80nmから160nmの複数の脂質ナノ粒子を有し、ポリペプチドをエンコードする改変mRNAを含む医薬組成物であって、前期脂質ナノ粒子は、カチオン性脂質、中性脂質、コレステロール、PEG脂質を含むことを特徴とする医薬組成物。

US10703789.pdf (modernatx.com)

この特許では、天然に存在するRNAを化学的に修飾して、所望の生物学的反応をもたらす能力を高める方法が説明されています。ワクチンの場合、これはRNAがコーディングしたプロテインに特異的な免疫反応の生成する方法です、とZydney氏はLead Stories誌に語っています。

「脂質」と「ナノテクノロジー」とは同じ意味で使われるものではありません。

動画の語り手は、特許の実際の文言の文脈と意味を誤って伝えていました。例えば、動画の人物は、「脂質」と「ナノテクノロジー」という用語が同義であると偽り、この2つの用語を同じ意味で使っていました。

「ナノテクノロジーとは、ナノメートルオーダーの長さを持つコンポーネントを含むあらゆる技術を指します」、「現在、殆ど全ての)コンピューター・チップチップに使われているトランジスタのサイズは僅か数ナノメートルなので、ナノテクノロジーは、コアとなる技術です」、とZydney氏は説明しています。

オーストラリア科学アカデミーによりますと、例えば人間の髪の毛の太さは5万から10万ナノメートルだそうです。

一方、脂質は水に溶けない有機分子の一種です。人間の細胞は脂質で出来た膜に囲まれています。脂質は非常に小さく、1~10ナノメートルであることが多いため、脂質の挙動に基づく技術はナノテクノロジーと考えられています。

「自己組織化された」「完全にプログラム可能な」ナノ粒子は外部からプログラムすることは不可能です。

同様に、ビデオの中の人物は、「自己組織化された」「完全にプログラム可能な」ナノ粒子は、「外部からプログラムを受け取ることが可能である」ため、「憂慮すべきもの」であると述べています。

この特許とは無関係のミシガン大学医学部の分子生物学者であるMichael Imperiale氏は、2023年7月27日に受け取った電子メールで、このプロセスは不可能だとLead Storiesに語っています。

「自己組織化とは、脂質とRNAを混ぜ合わせれば、他の成分がなくても一緒になってナノ粒子を形成することを意味します。ここでいう完全にプログラム可能とは、我々が通常(コンピュータで)考えているような意味ではありません。脂質の性質や種類を変えることで、ナノ粒子の物理的性質を変えることが可能になるということです」と彼は語っています。

脂質とは脂肪化合物のことで、エネルギーの移動や貯蔵、ビタミンの吸収、ホルモンの分泌といった体内の様々な機能を果たす、とクリーブランド・クリニックは説明しています。「自己組織化ナノ粒子」とは、ワクチンに使われる脂質が自然に集合して非常に小さな粒子になることを意味します。

「例えば、我々の体内でタンパク質が作られる時、アミノ酸の鎖は自然に折り畳まれ(集合し)、明確な3次元構造になります。食塩水溶液があり、その水を蒸発させると、食塩は自然に集合して明確な塩の結晶になります。これら全ての場合において、自己集合は部品間の相互作用によって引き起こされます」とZydney氏はLead Stories誌に語っています。

この特許の文脈では、「完全にプログラム可能」とは、脂質ナノ粒子が特定の挙動を示すように設計可能であることを意味します。この挙動は、サイズや電荷といった様々な特性によって脂質ナノ粒子にプログラムされます。Zydney氏によりますと、多くの医薬品が同様のプログラミングの概念を採用しており、例えば、錠剤はすぐに薬剤を放出するように設計されていますが、徐放性錠剤のように長期間に渡って薬剤を放出するものもあります。

「錠剤の性質を変えるだけで、望ましい挙動を『プログラム』することが可能になるのです」とZydney氏は述べました。

カチオン性脂質は電磁場を作らない

Instagramでシェアされた動画の中で、その人物は「自然界にはそのようなことをする脂質は存在しない」、つまり、「ポジティブな電磁場をホストする」と述べています。この人物は、アメリカ化学会の《Chemical & Engineering News》に掲載された論文に言及していました。この記事は2021年3月6日に発表されましたが、実際にはブリティッシュコロンビア大学のナノ粒子科学者の発言を引用していました。「自然界にはカチオン性脂質は存在しない」と。

脂質がカチオン性であるということは、溶液中にプラスの電荷を含んでいるということです。人体に含まれる脂質の大半は陰イオン性、つまりマイナスに帯電しています。水に入れるとプラスに帯電する分子については、特に変わったことはない、とZydney氏は述べました。

Lead Storiesはまた、5Gが鼻血、脳の癌、精子数の減少、頭痛、不眠症を引き起こすという証拠はないこと、2台の5G携帯の内部を映した動画がカナダに5G技術が存在しないことを証明するものではないこと、国立衛生研究所が5Gがヒト細胞内にコロナウイルスを作り出す可能性を認めていないことを報じています。

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