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旧米軍府中基地跡をゆく(東京)

東京都府中市は、新宿から電車で30分の距離にあるベッドタウンです。街の歴史を知ろうと府中市のウェブサイトを調べたんだけれど、ほとんど記載がない……。Wikipediaのほうが詳しいとか、どうなってんだ。

むろん都心へ出やすいということで、住むのに便利な場所ではあるけれど、おれの興味はそっちではなく、この街が抱えている施設にあります。
旧米軍府中基地跡。
廃墟マニアのあいだでは有名すぎるほど有名な物件です。

2021年に日本へ返還され、広大な土地の再利用が検討されている。以前はもっと残留物があったんだけれど、すでに多くの建造物が解体されてしまった。それでもシンボルともいえるパラボラアンテナはいまだ健在。
ただしこれも時間の問題で、いつまでその雄姿を拝めるのやら。

2023.12.29

年の瀬も押し迫ったころ、JR中央線の武蔵小金井駅へやってきました。



午後の昼下がりに家を出たので、この時点ですでに太陽も傾きかけております😅。



駅があるのは小金井市。ここから徒歩で府中市を目指します。駅前にはありがたいお地蔵様がありました。水前寺清子のあの歌詞がきざまれています。



目的地までほぼ一本道。わりと距離がある(2.5km)ので40分近くかかりますが、町歩きを兼ねて徒歩でいきます。途中にある「小金井スカイコーポラス」はここらへんで最初に建てられた高層マンション(1969年施工)。なかなかいい雰囲気😍。



駅前は人通りが絶えなかったんですが、しばらく歩くと車が中心になり、歩行者はあまり見ない。



枯れた川にかかる橋を渡り、歩を進めます。西日がまぶしい。



そうこうするうちに府中市へ入りました。いよいよ目的地も近い。



遠くにそびえる巨大な給水塔。SF的で現実感が薄く、夢を見ているような不思議な感覚です。



しばらくいくと左手に広大な自然が姿を現しました。フェンスで仕切られて立入禁止。ここが旧米軍府中基地跡です。ようやく目的地に到着! つかれた~😵‍💫



ふと見上げると鉄塔が見える。そして、ん? その下にも何かある。ちょっと移動してみるか。



!!!🤩 キター。住宅地を抜けたその先にあるのは府中のシンボル、ツインパラボラ。隣のタワーについているハシゴと比較すると、圧倒的なサイズが伝わるでしょうか。この視察、はやくもクライマックスを迎えています。



敷地には入れないので、ギリギリまで近づいてみる。うひぃ、スバラシイ。あるじを失ったパラボラは、にもかかわらず天を仰ぎ、来たるべきときに備え伝令を待ち続けている。プリピャチの観覧車に近いものを感じます。



パラボラを堪能し、再びフェンスで区切られた大通りへ戻ってきました。



フェンスのなかは立入禁止。フェンス越しに奥をのぞき込みますが、当然のごとく人影はない。



管理はされてはいるものの、落ち葉の堆積が目につきます。



車通りが激しく、引っ越しのトラックも走っている。アーク引越センター? いろんな会社名があるんだな。うっ、あたまが……😵



褪色してほとんど読めない看板もある。「ちかん」!! この辺はチョット・・・・あぶない、という目を凝らさないと読めない高難度の警告板です。



フェンスの向こうには、旧米軍の官舎だろうか、朽ち果てた建造物が並んでいる。



窓ガラスは割れ、金網でおおわれているのが、時の流れを感じさせるね。



ここは国有地となっていて、無断侵入は処罰する旨のビビらし文言が躍っています。



そのすぐ隣、駐車場が設置されているので、少し立ち寄ってみます。すぐそこには相変わらず廃屋が鎮座している。


音量注意!




壁という壁をツタが這い、長い年月をかけて徐々に支配権を奪いつつある。



ここにかつて人の生活があったとは、今では想像することも難しい。



奥に見えるタワーは府中通信施設(マイクロウェーブ塔)。陽もだいぶかげってきました。



すぐそこには一般の団地が広がっているんだけれど――



近くに府中飛行場や航空自衛隊基地があるので、上空を頻繁に飛行機が飛んでいく。



駐車場の脇にある平和の森公園へやってきました。



もうこんな時間。このあと飲みに行くんで急がないと😅



公園の奥はうっそうとした木々が壁を作っており――



侵入者を威嚇することも忘れない。



かとおもえば、こんなほっこり演出もあったり、どっちなんだ🤪



とにかく落ち葉の堆積が異常で、足がズボッと沈み込みます。



おいおい、侵入されてんじゃねぇか😝。なんどか補修した跡があるんだけど、それすら突破されている。いたちごっこだね。どうやら国家の威嚇もマニアたちには通じていない様子。不法侵入ダメ、絶対! もちろんおれは(このあと用事があったので)侵入はしませんでした。



夕陽が最後の輝きとともに地平線へ姿を消すと――



あたりは静寂に包まれる。かつての基地の姿、人々の生活、町の歴史に思いをはせながら、いそいそと飲み会の待ち合わせ場所へ向かうのであった。駅までの道は……バスにしようっと😜

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