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SNS時代こそ読みたい『頭に来てもアホとは戦うな!』の感想&解説

田村耕太郎氏著『頭に来てもアホとは戦うな!』の読書レビューです。

◆基本情報

・ページ数:221ページ
・所要時間:2時間
・内容:人間関係で時間を浪費しない方法

◆所感

・敵対してくる人への対処法が学べる
・組織で目標達成するための考え方、立ち回り方が学べる
・全体的に良書だが、やや自慢話が長い

インパクトあるタイトルですが、本書では自分の人生を高いパフォーマンスで生きるための考え方が網羅的に解説されています。(「アホと戦う」という趣旨の内容については全体の4分の1くらいです)

人間関係のストレスを抱え、イライラして自分のやるべきことに集中できないという人にはヒントになるのではないかと思います。

◆ポイント

●「アホ」と無駄な戦いをしない

本書でいうアホとは「わざわざ戦う価値のない相手」を指す。

戦うメリットのない相手と争うことは、自分の成長に使うべきエネルギーを他に消費してしまっていることになる。

しつこく攻撃してくるアホというのは基本的に暇であり、(好き嫌いに関わらず)こちらに強い関心がある

こちらが「嫌いオーラ」を出してしまうと戦いが始まってしまう。
そのため自分の時間を浪費しないためには戦いに応じてはいけない。
(相手にだけ時間を浪費させておけば良い)

◆無駄な戦いをする人の特徴
1.正義感が強い
2.自信がある
3.責任感がある
4.プライドが高い
5.おせっかい

上記のような人は基本的に「相手を是正しよう」として無駄な戦いをする。

正義感や責任感があり、自分の主張に自信があり、おせっかいだから相手を批判し、論破する。

しかし、既にいい歳したアホというのは、今さら是正できるものではない

それどころか論破をすれば恨みを買い、逆効果になる。

論破をする人は頭は良いが、それによって相手がどんな反応をしてくるかまで想像できていない点では愚かといえる。


●やられたフリをする

重要なのはメンツより実利である。

社会人における勝ちとは「相手を自分のメリットになるように動かす」こと。

相手を倒したところで相手はふてくされ、恨みを買うだけで自分のメリットになるように動いてはくれない。

自分が本当に達成したい目標があれば、アホにも頭を下げれるはず。


●自分の期待値をコントロールする

ストレスの多くは「過度な期待」から生まれる。

なぜか「何もかもうまく行く理想の人生」を基準にしがちだが、そんな人は世界にほとんどいない。

「人生はそもそも理不尽がデフォルト」だという「現実感覚」を持っておけば、多少の理不尽は気にならない。

例えば人事異動で、自分の頭の中で思い描く「理想の人事」があるとする。しかし実際にその職場が理想的なところかなんてわからないし、行ってみたら最悪な職場かもしれない。

そんな「妄想」を基準にしてそのとおりにならなかった度に失望していると、大きなストレスを抱える人生になる。

常に最悪を想定しておけば物事は最悪と最高の間にしかおさまらない。


●批判を受け止める度量を持つ

アメリカでは実名アカウントの評価しか相手にされない。
匿名の評価は本人の自演や、ライバルが批判の書き込みをしている程度にしか思われない。

日本人はただのフェアなレビューさえ自分への人格攻撃と思い込む。
そのため実名で意見もいえず、価値のある議論も生まれない。

SNSはやればやるほど人生の可処分時間の浪費になる。
人の動向が気になり、主体性がなくなり、自分の成長機会が減っていく。

「他人が自分を見る目」というのは不十分な情報に基づいたもの。
良い誤解も悪い誤解もされているものであり、関心がなくなればそのどちらもが勝手に消滅する。

「他人から見た自分」に振り回されるのは他人の人生を生きているということであり、それは他人のメリットであって自分のメリットではない

自分の人生を生きて、自分の目標にフォーカスしていれば、他人の目を気にする暇も、他人と戦っている暇もないはずである。


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