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演技訓練で心は変わるか?

一般に心と体は関係が深いことが知られています。例えばパワーポーズといって、力拳を作るようなポーズでは実際にアドレナリンが増えて覚醒レベルが上がることが知られています。またその逆に元気がない時には自然と肩がうなだれてしまうこともよくあります。

演技の訓練法にはこのような心と体の関係を用いたものがありますが、今回取り上げる論文は、その中でもマイケルチェーホフ演技テクニックの効果について心理学的に検証したものになります。

俳優、イメージ、アクション: 演技と認知神経科学
The actor, image, and action: Acting and cognitive neuroscience

この研究では、被験者に中立、拡張、収縮の3種のエクササイズを行わせています。

中立エクササイズは頭に風船があるのをイメージし、それに引っ張られるような感じで背筋が伸びるものをイメージするものです。

拡張エクササイズは身体の中に放射状に広がるエネルギーをイメージし、身体を伸ばすように指示されます。

収縮エクササイズでは、四方から空間的に圧迫を受ける様子をイメージし、それから逃れるように体を動かすように指示されます。

これらのエクササイズを行った後に、感情状態(快さ)と覚醒度、心理的な身長の高さについて回答してもらい、その関係について調べています。

論文 FIGURE3を参考に筆者作成

結果として、エクササイズを行った後は覚醒度や快さが増大する傾向があり、また心理的な身長の高さは覚醒度や快さが上がるほどに高くなることが示されています。

リアルとイメージの違いってなんなのだろうなと思いました。

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