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「闇雲にこわい」2024/01/18

おはようございます

ただいまの時刻8:36。早すぎる。

ここ一、二ヶ月ほぼ毎日午後に起きる生活をしていた私にとってはとても珍しい日だ。

なんか外から小学校のチャイムが聞こえて来た。
そうか、十数年前まではこんな時間に授業を受けていたのか……としみじみ思う。

ということは、今こうしてうだうだ日記を書いている間にも、あの教室ではさまざまな思惑が渦巻いていることだろう。

 教室の外へ少し漏れ出るほどクラスメイトの声が聞こえている。一歩二歩と歩みを進める。
もう少しで家から連れて来たこの自分を隠さなければいけない。どうしよう。失敗してはならない。でも逃げられない。
 不安と緊張で少し鼓動が早くなる。おそるおそるドアを開ける。
 ガラガラガラ。ドアの音一つとっても、朝の自分にとってはうるさくてしょうがない。しかしそんなことに気を取られている暇はない。私は顔見知りのクラスメイトがすでに教室にいないかをちらと確認する。いたら、目を合わせてニコッとしておく。いなかったら、大人しく自分の席に着く。
 私は自分から誰かに話しかけることはない。なんか苦手だからだ。「今日外寒かったね」は小学生にしてはおばさん過ぎる気がするし、「朝の旗振り中の親たちは子どもが来ない間何を考えているんだろうね。」は朝の話題にしては重い。あまりにしょうもないことを言っても気まずくなるし、小難しいことを言っても理解されないだろう。ちょうど良い話題を提供するのが私にとっては負担なのだ。
 なんて考えていると、先ほど目の合ったクラスメイトが近づいてきた。
「ねー、きーささ、漢字ちゃんと書いて来た?」
 
 なんてちょうど良い話なんだろう!
書いて来たかどうかなんて、どうでも良くなるくらいちょうど良い話題をありがとう。とお礼を言いたいくらいだ。会話のハードルを下げてくれる彼女のことが私は好きだ。
 それまで少し苦しかった呼吸が少し楽になった。いや、楽になって良いのか?生きにくさを抱えていた方が自分らしいのではないか?と思う自分を抑え、私はにっこりと笑う。
「ふふ、やってきたよ。」
「えー、ちょっと見してよ。」
と私はなぜか急いでノートを取り出しその子に見せる。自分の字には自信があるため、どうせ上手いとかなんとか言って来るんだろうと思いながら、それへのリアクションを考える。

続く

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