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この世界は変だ

 この世界は変だ。  まず言葉が変だ。 言葉は感情を表すためにあるはずなのに、本当に心から何かを感じたときは何も言えなくなる。 深く何かを考え、言葉を選んで発言しようとすると、その間に、はじまりの衝動の思いはどこかへ消えていってしまう。 結果自分が何を感じたのかの本当は自分にもわからなくなってしまう。 いろいろなものを見たり聞いたりして、感じたことを隣にいる誰かに精緻に語ろうと思念することがある。でも時間は、相手は、私を待っていてはくれない。間やタイミングが合わないと言う気

    • 「闇雲にこわい2」2024/01/23

       ガラガラガラ、という音がしてみんな一斉に静かになり、音のする方へと顔を向ける。 「おはよう、みんな席着きなさい。」 と先生の声がすると、皆一目散に自分の席に着く。その光景は異様である。 かくいう私も先生が来た瞬間には、 椅子を引き、姿勢を整え、気を引き締めるのである。  点呼が始まる。 点呼というのはなぜ毎朝やっていても、自分の番が来るときに毎度少し緊張してしまうのか。 その理由の一つに、声が裏返る自分を想像して不安を掻き立てられるというのがある。 いかんせん朝は声が出にく

      • 「闇雲にこわい」2024/01/18

        おはようございます ただいまの時刻8:36。早すぎる。 ここ一、二ヶ月ほぼ毎日午後に起きる生活をしていた私にとってはとても珍しい日だ。 なんか外から小学校のチャイムが聞こえて来た。 そうか、十数年前まではこんな時間に授業を受けていたのか……としみじみ思う。 ということは、今こうしてうだうだ日記を書いている間にも、あの教室ではさまざまな思惑が渦巻いていることだろう。  教室の外へ少し漏れ出るほどクラスメイトの声が聞こえている。一歩二歩と歩みを進める。 もう少しで家から

        • 「ベーコンエピ」2024/01/17

           ベーコンエピを焼いた。    こう言うとみな、 「すごい!えらいね!器用だね。」 などと私を褒めてくれる。  ただ実際の私は別にパンを普段から焼くような丁寧な暮らしをするタイプではない。でも、急に作りたくなったのだ。そんなやつでも別にパンを手作りしたって良いじゃないかという精神のもと、私はベーコンエピを焼いた。だから、そういう人と思わないでほしいと思うみんなには。  しかも、別に今日焼いたわけじゃない。 2日か3日前だ。でも、なんとなくみんなに知らせはしたいと思って日記を

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