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ハイパーインフレの謎を探る2

問 MMT(現代貨幣理論)は、インフレ率を制約にしていますから、ハイパーインフレになるまでカネを刷れとは言ってません。

答 ハイパーインフレの仕組みを知れば、そんな甘い話は成り立たないことが分かります。物価が上昇する局面で、通貨発行をすると物価上昇を加速させることなります。物価が上昇すれば、財政需要を賄うために益々多くの通貨発行をせざるを得なくなり(そしてこの通貨発行は物価上昇を加速します)、雪だるまに通貨発行量が増えてゆくのです。
このような通貨発行の仕組みを賢明なる市場参加者は熟知しているため、通貨の信任を維持するためには、通貨量をみだりに増やしてはいけない訳です。

問 自国通貨建国債はデフォルトを起こす心配はないと言われていますが本当ですか。

答 自国通貨建でも過去何度もデフォルトは起こっています。確かに日本のように国債を日銀に買わせている(厳密には金融機関を経由して行われますが)場合、借り換えや追加発行を繰り返すことで、永遠に返済不要に思われるかも知れません。ところが、日銀が国債を購入するということは通貨発行と同義ですから、その支払先が政府であろうがメガバンクであろうが、インフレを加速してしまいます。インフレが進むとより多くの国債を必要としますから、雪だるま式に国債発行量が増えて行く死のスパイラルに陥ってしまい、何処かで国債を償還しなければ、ハイパーインフレになってしまいます。最終的にはハイパーインフレを終息させるためにデフォルト宣言することになるわけです。世の中に上手い話はありません。

問 日本でハイパーインフレが起こるなんて信じられません。

答 とんでもない、甘すぎます。アベノミクスの結果、日銀は500兆円もの国債を抱えています。金利が上昇すれば、国債暴落→日銀破綻→ハイパーインフレと簡単にドミノが起こります。明日、ハイパーインフレが起こってもおかしくない状況とみて良いでしょう。

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