中盤の定石はジャンプ!(2023/04/11記)

基本となる新規ポジションの建て方を以前の記事で説明した。中盤を迎えて、ポジションの組み換えを行うのだが、そのときの定石ともいうべき内容についての説明をしたい。

まず、基本となる新規ポジションではコストゼロで内側プット買い1枚外側プット2枚売りだった。そのときの価格比が1000円でたとえば27000円のプット買い1枚26000円のプット売り2枚のポジションを建てたとしよう。このポジションを維持していれば、SQ値によって損益が次のようになる。
SQ値が27000円以下で利益が発生し、最大利益はSQ値26000円で100万円となる。SQ値が26000円以下になると利益は減少に転じてSQ値25000円で損益ゼロ、また、SQ値25000円以下では損失が発生する。

このポジションはSQ値が25000円以下にならない限り損失は発生せずに最大利益100万円なので、良いポジションなのではないかと考える。しかし、株価というものは上昇は緩やかだが、下落は急激に起こるというのが特徴だ。オーバーシュートも考えれば、予想外の下落が起こり得る。一旦景色が変わると昨日までのあの勢いは何だったのかというくらいに恐怖と不安が市場を支配する。従って、中盤にはこれらのポジションを組み替えることで安心なポジションにすることが可能だ。

価格比はボラティリティによって、また残存期間によっても変わる。ボラティリティがそれほど大きく上昇しないと仮定すれば時間の経過とともに残存期間は減少していくので価格比は小さくなる。例えば残存期間が2週間半くらいであれば価格比は500円になる。

価格比が500円になれば、上記ポジションに加えて、26500円のプット売り1枚26000円のプット買い2枚というポジションを新規で建てることができる。もちろんコストゼロである。その結果、27000円のプット買い1枚26500円のプット売り1枚、26000円のプット売り2枚、同じく26000円のプット買い2枚というポジションを保有することになる。26000円のプットは売り2枚、買い2枚で相殺される。実質、保有ポジションは27000円のプット買い1枚26500円のプット売り1枚となる。

実際は、26500円のプット売り1枚26000円のプット買い2枚というポジションを新規で建てるのではなく、26000円のプットを決済して26500円のプットを1枚売るという注文を行うことになる。これは26000円のプット売り2枚が500円ジャンプして1枚の売りに替わったというイメージだ。

ジャンプの結果、保有ポジションはSQ値が27000円以下で利益が発生しSQ値26500円で最大利益50万円SQ値が26500円以下であれば利益は減少することなく50万円である。

日経平均株価が下落することがなければこのポジションもなんの利益を生むことなく終わってしまう。そのときは、諦めれば良い。コストゼロである。損失は何もない。しかし、数か月に1回、少なくとも年間数回、このようなプットの組み合わせの罠の中に日経平均株価が落ちてくることはあるだろうと考える。

日経平均株価が上昇すれば快くさよならをすれば良い。

新規ポジションは一組ではなく、重層的に複数の組合わせのポジションを建てる。中盤に組み替えることで日経平均株価の下落に強い盤石な陣営を築く。細かい様々な問題もあり、こんなに綺麗な話では終わらないのだが、現在の日経平均株価の値位置からの距離感を測りながらどのあたりに罠をしかけるのかが重要なのだが、仕掛けたあとは相手の出方次第で、罠にかかるのを待つのみだ。

以上が私の手法における中盤での定石ともいうべきオペレーションについて説明した。

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