去年か、一昨年にも書いたことがある
僕は春が苦手だ

正確に言えば、このくらいの時期から春分までのアンニュイな空気
人の異動と移動と別れの蠢き

ソワソワして世界から取り残されるような
足元の現実のおぼつかなさ

シャツにジャケットでも汗ばむ日もある
陽気な太陽に僕は相手にされていないような
そこはかとない疎外感

あとは花粉
そして湿気

世の中は皆春が好きで
冬が好きな私はアウトサイダーか逆張り好きの捻くれ者のような扱いを受ける

それでも４月は比較的好きな方だ
出会いの喜び
新しいことが始まるワクワク感

ふと思う
出会いは輪郭、別れはグラデーション

今日も人の痛みと別れと切なさに触れる

いつもなら饒舌な僕も

今はその甘美な余韻にしばらく浸っていたい

痛いんだきっと
いつも敏感な心が
更にヒリヒリしちゃうんだな

わけもなく泣きたくなるような
そんな気分

あなたに出会うために生まれ
あなたと別れるためにこの世を去る

すりガラスのような春霞の色彩を重ねて

あなたとわたしの境界線はぼかしたまま
しばらく一緒にいようか