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あったまろ。

きみへ

きみの眼は 今 なにを見てるんだろ。
いつだったか
銀河を渡る舟に乗って 旅した日のこと
憶えてるかい?
無数の小さな流星が きみの脇をすり抜けて
落ちていったね
きみは ただ 驚いて 目を輝かせた
月は冴えて それでも明るく照らしてくれてたっけ
きみの ぼくの裾を持つ手のぬくもりが 今も残ってる

笑ってるかい?
震えては いないかい?
鎮まりかえった夜
きみの声がしたようで
そらを眺める。

きみが眠るまで お話しをしよう
あの頃 そうしたようにさ

暖かくしてるよね
大丈夫かい?

M.Bゴフスタイン

今夜はね
M.Bゴフスタインさんの絵本「ふたりの雪だるま」だよ。

クレヨンで描いたシンプルな画に谷川俊太郎さんが 訳したもの。

十一月に入って、今年はじめての猛吹雪のあと
気温は零下にさがり 来る日も来る日も雪は降り続いた
やっと 日が顔をだした
雪はにぶく重たげにきらめいた
って始まる。

ねえ
きみには 弟がいたんだったっけ?
このお話はね
おねえちゃんが 弟と雪だるまを作るおはなしなんだ
終始 おねえちゃんの語りで進むのだけど
やさしいの
とにかく やさしいの

幼い弟に 雪だるまの作り方を教える
新しい雪の上を転がすのよ
そうしないと 泥や小枝が くっつくからね
それで 弟も 上手く作るの
「昔から こういうことはうまくいく」なんて言ってね。

でも おかあさんが そろそろお家に帰りなさいと呼ぶのね

ふたりは 帰るんだけど 残してきたゆきだるまの
ことが気がかり。
晩ごはんを食べながらも 悲しかった
なぜって
雪だるまは 外にひとりぼっち。夜になるっていうのに。

もう雪だるまなんか 作らなきゃよかった

そしたら
おかあさんが いつまで ぐずぐず言ってるのってたしなめるのね。
大体 母親って そんなもんよね、ご飯 食べてほしいし。
でもね

デザートも食べられないほど 悲しんでる娘なの

そしたら おとうさん いきなり
外に行く準備を始めるの
勿論おねえちゃんもよ。
おかあさんは 灯りをつけるわ
そしてね
ふたりで雪だるまを作るのよ
でもね
おとうさんに 新しい雪で作ってねって言えずじまい。
だから 出来上がった雪だるまは ゴミや落ち葉だらけ。
でも 二つ並んだ雪だるま
新しいのは きれいなガウンを着てるみたい
ふふ
もう一度 お家の中に戻ると 弟が喜んでくれたよ

そして 言ったわ
「これで 雪だるまも ふたりになれたね」って。。

おしまい


ゴフスタインはアメリカのミネソタ州で生まれた。
そこはカナダと接する北国で、彼女がここに住んでいた頃は毎年のように11月の弟の誕生日にはその冬初めての大雪が降ったという。

 窓から外をを眺めている姉と弟がなんとも愛らしいよ。
雪が積もったあと、二人は外にでて雪だるまを作るのだけど
防寒着の愛らしさ。
クレヨンのあたたかさ 素朴さが こころをあっためるの。
おねえちゃんは 弟に雪だるまの作り方を教えるのだけど
なんとも頼もしいんだ。
でも 二人がこしらえたのは一つの雪だるま。
おねえちゃんは ずっと気になって ぐずぐず言ってる。
で、もうひとつの雪だるまを作るために おとうさんが。
家族って いいよね。
よく描けてる。

登場人物は顔が描いてなくて でも 想像できるの。
なんとも かわいくて あったかくって 癒されるよ。

ねえ
おねえちゃんって いいよね。
弟の 最後の言葉、憶えてる?


これで 雪だるまも ふたりになれたね」

 寒い冬の夜に、しびれない?
もう ロックな気分になるよ
ほんま ゴフスタインさんの絵本は素敵。

ん?
眠くなった?あったかいミルクティーのせいかな。
おやすみよ。
今日も しんどい思いを抱えてたんだもの。
ほら
空では 月が見てるよ。
おやすみって言ってる。

おやすみ。
また あした。


https://youtu.be/d_-OOYMuArI







もし 心に留まって下さったら、、、本を出すと言う夢に使わせていただきます。