連続する3つの整数は...

今回は軽い記事です。

中学2年生における数学で以下のような問題が出てくる。

連続する3つの整数は3の倍数であることを示せ。

人によっては当たり前に聞こえるだろう。
そりゃ3で割った余り0,1,2のそれぞれが一つずつ出てくるんだし!と。

でも少なくとも当時の私は当たり前には思えなかった気がする。
そこで生徒さんに聞いてみた。
すると大抵「当たり前に思える。」という。

では連続する「2つの整数は2の倍数か?」と聞くと「それは違う。」となる。

もちろん奇数と偶数を足すのだから偶数になることはない。

でも3の倍数における「当たり前」は2の倍数には通用しない。


さて、数学において「当たり前」で済ませるのは良くない。
当たり前と思えるなら示せるでしょ??
そんなノリだ。

余談だが大学のテストで「自明である」と書いたらバツになって「自明なら証明せよ。」と返ってきた人もいるらしい。

まあそしたら簡単に示してみる。

modを使えば瞬殺だけど今回は中学レベルで。

nを整数とすると連続する3つの整数は
n-1,n,n+1とおける。
これらを足すと3nになり、ゆえに示された。

よく解答では連続する3つの整数を
n,n+1,n+2と置いている。
でもこれだと足したときに3(n+1)となり、
n+1が整数であることを明記する必要が出てくる。
ここで減点される可能性もあるので上の方が無難かなと今は思う。
(当時の私はこっちだった...)


まあこんな当たり前すぎることを示したところで、、、となるかもしれないが案外当たり前に見えてそうでないこともある。
逆に明らかに違いそうに見えて成立することもある。

例えばℕは可算集合であるしZも可算集合、Qも。
一方でℝは非可算集合である。

さて、ℕとℝを比べてℝの方が大きいということは直感的だろう。
でもℕとZの濃度は同じだ。
もちろん集合的にはℕはZの真部分集合ではあるが、実は全単射が簡単に作れる。

まあ特に無限が絡むと直感から大きく外れたことが起こる。

中学までは確かに当たり前のことしかしないから証明する意味もあんまり無いように思うかもしれない。
もちろん図形における合同や相似は自明でないこともあると思うが。
でも証明することの大切さ、必要性は知っておいて欲しい。

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