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宗教や信仰についての雑記 #55

◯四諦と品質管理

以前、品質管理の問題解決手順を学んだことがあります。その手順とはごく簡単に言うと、
①現状を把握する
②目標を設定する
③問題の原因を突き止める
④原因を取り除く解決策を定める
⑤解決策を実行する
⑥効果を評価する
⑦効果がなければ③に戻る
というものです。尚、③の「問題」とは、現状と目標との差(ギャップ)のことです。

この問題解決手順は、お釈迦様の説いた四諦よく似ています。
四諦とは苦諦、集諦、滅諦、道諦のことで、これをまたごく簡単に言うと、
苦諦:この世は一切が苦であるという真実
集諦:苦の原因は煩悩・執着であるという真実
滅諦:苦の原因の滅という真実
道諦:悟りに導く実践という真実
ということですが、ただ、この四諦には効果の評価の項目がありません。
でも、この四諦は後に体系化された教えの一部であって、釈迦様は相手に合わせた説法(対機説法)をされたそうなので、実際には効果の評価も行ったのかもしれません。

この効果の評価ということで苦しんだ代表的な人物が、親鸞聖人だと思います。
比叡山で20年もの間修行しても、煩悩を滅することができない、厳しい修行の効果が現れない、そんな苦しみを抱えていたそうです。
「煩悩」という問題の原因をどうしても取り除けなかったようです。

品質管理では、問題の原因を取り除くことがどうしてもできない場合は、その原因の影響を遮断する、あるいは低減するという考え方もあるそうです。
親鸞聖人にとってのその「影響の遮断や低減」が、法然上人や阿弥陀仏の誓願との出逢いだったのかなと、そんな気がしました。

この品質管理の考え方を、信仰や心の平安にも応用できないかなと、今そんなことを考えています。

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