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宗教や信仰についての雑記 #18

◯漢方薬

以前、耳鼻科に通っていた頃、漢方薬をよく処方されました。
副鼻腔炎が慢性化していたので、慢性疾患に効果があるとされる漢方薬が選択されたのでしょう。(今でも完治はしていないのですが・・・)

西洋医学の薬は、ごく大雑把に言って、様々な物質の中から有効な物質を特定し、それを抽出して創るのだという話を聞いたことがあります。
それに対して漢方薬は、様々な生薬を配合して創られ、更には腸内細菌の作用を受けて効果を現すものだそうです。

分析的な西洋と統合的な東洋との考え方の違いが顕れた、端的な例のように思えます。
無論、それらのどちらかが優れているとか劣っているとかという話ではなく、どちらも必要な考え方で、時と場合によって使い分けるものなのでしょう。
つまりそれらは、相互に補完的な役割を果たすものなのだとも思います。

宗教多元主義では、世界の諸宗教は対立するものではなく、それぞれが補完的なものだとされているそうです。
世界の様々な地域で、それぞれの風土や文化に応じて生じた諸宗教は、「実在」の様々な面を映し出していると思います。
ですから、それぞれの宗教の教えが時代の変化とともに、現状に合わなくなってきたならば、他の宗教・宗派の教えを参考にすることが必要になることもあるでしょう。
そんなときに、既存の教えに固執して、硬直的な考えにとらわれると、人を救うはずの宗教が人々を苦しめることになる恐れがあります。

柔軟で多元的なものの見方が大切なことを、苦い苦い漢方薬が教えてくれました。

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