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株は心理戦(4月1日号)


新年度入り相場がスタート!
相場を牽引するテーマは?


 2023年度における最後の取引となった29日の株式市場は、日経平均株価が前日比201.37円高の40,369.44円で終了した。前年度末に比べ12,327.96円(44%)上昇し、上昇幅は過去最大を更新した。企業の経営改革や人工知能(AI)への期待感、更に賃金の上昇による経済の好循環でデフレ脱却への取り組みが評価された。コロナ禍後のリバウンドが大きかった2020年度に10,261.79円を上回り、TOPIXも上昇幅765.12ポイント高は過去最大となった。2023年度の日経平均は象徴的な節目を相次いで上回り、バブル時代の最高値を更新したことを皮切りに、初めて4万円の大台にも乗せ新時代の扉を開いた。但し、株価が高水準にあることから、上昇率では43.96%高と過去5番目にとどまった。一方、TOPIXはバブル期に記録した最高値は更新できていない。

 先週の日経平均は、権利落ち日に当たる28日の取引時間中に40,054円まで下落し、4万円割れも意識されたが押し目買いに支えられた。4月1日から始まる新年度の相場は、前号でも指摘した通り揉み合い圏であることには間違いないが、今後の動向について先読みしたい。当面は、4月1日の寄り付き前に発表される日銀短観の行方にも注目が集まるが、仮に景況感が悪化すれば一時的に下落はあっても押し目買いが入り、アク抜け感が台頭すると考える。

 3月22日に4万1千円の高値を付けた日経平均は、立ち合い日数でまだ5日が経過したところで、日柄で見てもまだ未達であると見る。市場全体にも方向感がなく、テーマ性に乏しい現在の株式市場を一年間通し牽引する銘柄は何か。筆者は、改めて年初の初心に返り造船株、海運株に注目したい。

調整を経て海運株、造船株が反騰の兆し

 造船株では、7014名村造船所(1,992円)は3月5日に年初来高値を付け、7003三井E&S(1,915円)は3月8日に上場来高値を更新した。

 海運株は、9101日本郵船(4,073円)は1月17日、9104商船三井(4,610円)は2月21日、にそれぞれ高値を付けている。

 この4銘柄は値幅、日柄共に休養十分で底値を徘徊するか、底値圏を離脱する動きが見られ、反騰の機を窺う展開にある。テーマ性に加え、好業績と割安をテコに反騰への期待が高まっている。

※投資行動は自己責任でお願いします



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