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株は心理戦(1月15日号)

33年11か月ぶりに3万5千円台回復!
先高期待膨らみ、4万円の声も


日経平均株価は、33年11ヵ月ぶりに3万5千円台を回復した。今年に入り、5日続伸で約2千2百円(終値ベース)上昇したが、多くの投資家の皆さんには3万5千円台回復に実感があるだろうか。13日の日経平均は、僅か551銘柄で527円高させた。値下がり数は60%を超える1058銘柄で、変動なしが48銘柄だった。この実感なき日経平均の3万5千円台回復は、指数貢献度の高い9983ファーストリテイリングなどの一部の銘柄に集中し、それ以外は蚊帳の外だった。

買いの主体は、大発会の4日、5日で海外勢が現物株を約1,400億円買い越したと言われている。先週も海外勢によるものと見られ、ヘッジファンドの買戻しや先物買いなどで先高期待が高まりつつある。当面は、短期急騰による調整が必要とか3万6千円台を狙うといった強弱感が台頭する場面ではあるが、ボックスを一段上に上げた以上、押し目狙い常套手段といえる。

マクロ的には、経団連が春季労使交渉の基本スタンスを16日に示す予定で、すでに昨年以上の賃上げへの熱意が示されているが、賃上げが物価上昇分を超えて日本経済の好循環を生み出せるかが焦点となる。このことは10月18日別冊号で、日本製鉄の橋本英二社長の構造改革を通して、日本経済の好循環への道筋を紹介している。本年は、この日本経済の好循環をテコに日経平均株価4万円大台乗せが実現できることを願いたい。

売り方が窮地?!
7014名村造船所は底知れぬ強さ!


1月12日、一時35,839円まで上昇した日経平均は、急激な上昇で高値警戒感もあるが、今後は森(日経平均)を見ず、木(個別銘)を見る時であると考える。端的に言えば、日経平均株価がバブル後の戻り高値を更新したことで一番苦境に立っているのが売り方だ。

本号で連続推奨する7014名村造船所は、10日に造船用鋼板の値上げ決着を悪材料視され、約3千万株の売り物を浴びてストップ安寸前まで急落した。1日で3千万株の出来高はここ2,3年でもなかった大商いだ。続く11日も約2千5百万株、12日は約2千万株と併せて7千5百万株の出来高は、発行済株式数の6,934万5千株を超える出来高を3日間で売買したことになる。

特に、10日は売り気配から1,175円で寄り付き、1,062円まで売り込まれ、あと7円でストップ安となるところ首の皮一枚残した。終日、波状的に売り込まれ約3千万株を買い切ったところは、この銘柄の「底知れない強さ、恐ろしさ」を感じた。11日には、106円高してあっさり1,175円を上回り、約3千万株を売り込んだボックスを上回った段階で、売り方は評価損を出している。空売り、現物・信用買いの利食い、投げ売りを含め、全ての売り方に回った投資家が10日の1日だけを見ると評価損を計上したことになる。

売り方にとって、日経平均3万5千円台回復という場況の好転や円安傾向に反転したことも大きな懸念材料となっていたはずだ。まさに、10日は売り方にとってワンチャンスを狙った怒涛の売り攻勢だった。しかし、10日にストップ安出来なかったことが勝負の大きな分かれ目だったように見えた。勝負は決したわけではないが、また7千5百万株の空売り比率は不明だが、現時点では空売りが増加していることは間違いない。

今後、日経平均に先高期待が広がれば空売りが増加している銘柄に注目する必要がある。

5401日本製鉄(3,329円)、8306三菱UFJフィナンチャル(1,267.5円)、7201日産自動車(571.1円)、4005住友化学355.1円)、

7014名村造船所(1,226円)、7018内海造船(4,755円)、

8001伊藤忠商事(6,539円)、9107川崎汽船(6,497円)、

6857アドバンテスコ(5,057円)、4385メルカリ(2,529.5円)、

5726大阪チタニウム(2,717円)



※投資は自己責任でお願いします

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